No.
86
逆ソクラテス

最後の話ぼろくそに泣いてしまってダメ~~~~~~~。

小学生たちが理不尽を強いてくる大人や価値観に立ち向かう連作。主人公が子供なので、いささか感情移入がし辛いのと他力本願の「スカッとJA〇AN」系な展開がいくつかあり、not for me 寄りの作品になるかと思いながら読み進めていました。でも最初から所々でキチンと胸を刺してくるんですよね……大人になってからのほろ苦さとか、矯正のし難さとか。

「そうだよ、永遠。
 バスケの最後の一分が永遠なんだから、俺たちの人生の残りは、あんたのだって、余裕で、永遠だよ」

―アンスポーツマンライク


最初の丁寧な仕込みがのちに爆発するタイプの話だったな……って『アンスポーツマンライク』を読んで感じ、そこからの『逆ワシントン』のラストで涙腺ガバガバのハイドロポンプよ。幼いころの失敗は大人になっても引きずる、っていうのをちゃんと描写した上でのチャレンジしようぜ、リトライしようぜ、というメッセージにとても励まされる。あと、他人に優しくするのは自分のため、って価値観も好きです。優しさの連鎖が返ってきて欲しいわけじゃなくて、何をしてくるか分からない他人が怖い、って事から発した言葉なので猶更実感がこもっているというか。
頑張りが必ずしも報われるなんて、都合がいいお話ではあるのだけれど。紙の上でくらい、全員がハッピーでもいいんじゃないでしょうか。

20230510143211-motiri.jpg逆ソクラテス
(伊坂幸太郎 )

#伊坂幸太郎

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