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かがみの孤城

辻村深月先生の作品に触れるのは実に10年以上振りです。『冷たい校舎の時は止まる』が最後。今作『かがみの孤城』も『冷たい校舎-』に似た構造のお話で、なんだか懐かしい気持ちになったりしました。閉鎖的な環境に少年少女を閉じ込める話だいすき。似たようなストーリーラインだと『扉の外』が一押しです。特に2巻。嫉妬!恋愛感情の利用!青い感情の宝庫じゃぁ……。

辻村先生、いじめ未満の描写上手すぎない????いや、"未満"と表現したものの明確ないじめなのよ。それはそう。そうなんだけど "子供の浅知恵" "子供同士のトラブル" で片づけられそうな、"ありそう" な感じがたまらなく不愉快。薄い膜を貼ったような気持ち悪さっていうのかな……。だからこそ、こころが苦しんでいる様子が切に伝わって来るので、現実の話は読んでいて辛いところが多かったです。こんなん不登校になって当たり前なんだけど、親には説明出来ないよね……。

いじめの話ではないけど  "共通の敵がいると早く仲良くなれる" っていうのがまたね!群れでよくあるアレよね!ってなりました。集団になった時の人間の動きがリアルなんよ。人間のあんまりよくない部分を表現するのもお上手すぎる。ともあれ、そういう汚い部分が登場人物みんなにそれぞれあって、だからこそ感情移入もしやすかったです。なんだろ「こういう子、いたよね」って感じ。でもみんな良い子で、素直に行く末を見守りたい気持ちになれました。

最初の方であまり好感を持っていなかった唯一のキャラがウレシノです。恋愛脳のキャラは基本嫌いじゃないんですが、ここまで……ここまでされるとちょっと……!そんな彼が、城でのやり取りを経て成長していくのが青春劇の王道で良かった。皆それぞれに現実を見ていくんだけど、精神的な成長が一番あったのってウレシノじゃないかな。

マサムネたちが来ても、来なくても。
おにぎりがおいしくて、冬の空がきれいで鳥が見られて。
とても幸せないい日だと、ウレシノは思っていた。待ちぼうけになっても、明日、城でこのことをみんなに話そう、とウレシノが思う。


スッと視界が開けた爽やかさが溢れていて好きなシーンです。今作で一番好きなところ。映画のPVでもこの場面が採用されていて、分かってるじゃんと膝を打ちました。いいよね……分かってるじゃん……。
あっ、PVにまつわる愚痴を1個言っても宜しい!?!?言うわね!TwitterのショートPVで、こころとリオンのラブコメが主題かのように仕立てているの、めちゃくちゃ気に食わないです!!意図は分かる、意図は分かるのよ。『君の名は』みたいな空気感で客を寄せようと思ってるんでしょ?分かるんだけど!ありもしない餌で釣ろうとするの、ガッカリして作品の事嫌いになるから良くないと思う!……以上、初見で「ハァ!?」ってなってずっと心に溜めていた文句でした。

話のギミックというか仕掛けに関して。難しい事は全く無く、本を読んでいるオタクはすぐに気が付くやつです。だから 、"衝撃の事実!" とか "最後の大どんでん返し" に期待して読む作品ではない。「こうなんだろうな」と思っている事に関して、答え合わせをしていく感じ。その辺りに関してはいささか退屈に感じる部分もあったんですが、彼・彼女らの生末が気になって物語を読み進めていたのでページをめくる手は止まりませんでした。キャラの事が好きになっちゃったら気になるじゃんね、選んだ未来。

夜を越え、目を覚ました時に世界が変わっていたら、と願ってもそんなものは叶わない。…ハズだったのが、その鍵を手に入れた子供たち。誰が何を叶えるのか、その先に何が待っているのか。ハラハラ、ドキドキしながら見守るのが楽しい作品でした。

20230514145545-motiri.jpgかがみの孤城
(辻村深月)

#辻村深月

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