No.
23
楽園の烏

20年後の山内って書いてあるから絶対いい雰囲気で始まんないぞと思ったらやっぱりまーーーーーー、まーーーーーー、はい。はぁーーー!!いや前シリーズのラストで神が死んだってなってるからもうこの世界は無理なんじゃないかな…と(ほぼ)バッドエンドで終わってて、それでも芽吹く命はあるよ、って感じでほんのり希望を匂わせていたけれども…ども…現状希望がどこにもないが?

あとレビューで10人に1人ぐらいが「雪哉どうしちゃったの…」って嘆いてるけど雪哉ずっとこんなやつでしたけど??ってバトルしに行きたいからダメ。ずっと雪哉性格悪かったし自分と家族と仲間中心のやつだったよ!!出直してきて!!んで20年経ってその大事な物の範囲が山内全体になってるの…?分からん…お前の心の軸となってたあの人はどこにいってしまったんだよ…。

新主人公のはじめくん、これ雪哉のまろやかバージョンだな?って感じでとても好き。失うものがないから強いなあ…いや、守るべきものが全くない主人公ってどうなの?って思うのでここからなんかあるのかな…。敢えて言うならお父さんの教えとかそういうのが守るべきもの?少なくともお父さんが大事にしてた山内の事は大事にしたいって思ってるよね。でも雪哉見てるからその大事にしたいは霞んで見えるんだなあ……。芯がまだまだ見えないからこの先どうなるのか楽しみ。頭が悪くない主人公は見ていてイライラしないから良いです。

W主人公のもう一人、頼人くんは大変良いですねえ!!良い!!愉悦!!尊敬する人と世界の真実の間で揺れ動く若人の感情はほんとたまんない。――と思ってたらラストでアレなのでもしかして私の方が頼人くんの手の平の上でコロコロ転がされてました???ってなった。いやあのラストなかったら今回ちょっとパンチ足りなかったと思うので良い……いいよコロコロされちゃう…。

今作エンジンがかかるのが凄く遅くて、序盤はちょこちょこ休憩挟みつつのんびり読んだ。楽しくなるのか不安だったけど、中盤の地下街行った辺りから面白さが加速して一気に読めたので一安心。序盤の仕込み時間が長かった感じかな。でも丁寧に20年後を書いてくれたので気になる事がいっぱいで次も待ちきれない。ハードカバー嫌じゃ嫌じゃって言いつつ続きが気になるから次もハードカバーで買ってしまうな……。文庫待ってたら最短2年だもんな…。

「地獄のここが楽園だ」
ぬるま湯のような楽園だと思っていた世界は、ちっとも楽園ではなかった

そして今回タイトル回収が非常に丁寧で考えさせられるなあと思うなどした。自身を取り巻く環境など人の考え方ひとつでまるで変わるからね…。あーしかしアレだな、第一部最終巻の「弥栄(いやさか)」の烏ってめっちゃ皮肉聞いてますね…。全然繁栄してないが???そして楽園ではないが??

続きから強いネタバレがあるタイプの叫びです。

奈月彦どこ行った!?!?!??!!?

雪哉の主どこ行った!?!?奈月彦だけじゃなくて浜木綿もいないし私の大好きなますほさんもいないし更には澄尾すらいないんだが……?いないんだが…?どういう事なの…なんなの…全く分かんない…作者さんがこの混乱を狙っている事だけは分かるんだけど。ますほさんとか澄尾いるとなんかちょっと安心するから長束の方出すのがまたいい塩梅だわ…。その長束様もよう分かんないとこにいるしさあ。

そして希望の種だった紫苑の君が敵対関係にあるっぽいの?どうして……なんかもうずっとどうして…って言っちゃう…ろくろ回すポーズでの「どうして…」じゃなくて顔を覆う感じでの「どうして…!」

あと雪哉が未婚のまま歳取ってるの非常に良かったです。夢女とかそういう観点からではなく、あれだけ結婚観がシビアで冷えてる雪哉が結婚してました!!ってなったら嫁さんとのなれそめや現状が気になりまくってしまって本編が頭に入ってこない可能性があった……。これはナイス判断だったと思う。いやどこかの時空列とかで本気の恋愛してる雪哉とかあったらめっちゃウェルカムなんですけど!!見たい!見たい!!!また恋愛短編が出来る程登場人物増えるかな…いやもうどうなるんだ…わかんない…。畳む


20230510113505-motiri.jpg 楽園の烏 /八咫烏シリーズ
(阿部智里)

#阿部智里 #八咫烏シリーズ

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