No.
41
ダンジョン飯 11巻
いつもいつも本が分厚くて読み応えがある……。作画もブレず丁寧で本当にいい作品。
前回の感想で「ライオス終始格好良かったんだけど気の所為か?」ってしたためていたんですけど、11巻では前巻と打って変わって「なんかすっげえ気味が悪い」って印象が抜けなくて演出力半端ないな…と思った。というのも、ドラゴンズとの闘いはライオス目線よりもシスル目線の方が多く描かれているじゃないですか。なのでシスルの感情が読み手側の私に伝播しているから「ライオス気持ち悪い」という言葉が出てくるんだな、と。まーーじでライオス恐ろしいくらいモンスターの事熟知してるし行動が一か八かで読めんし怖かったよーーー!10巻はさ……ほんとずっとかっこいいな…ってキュンと来てたんですよね……。誰目線かでキャラがどう見えるのかがコロコロ変わるの面白い~~人間って多面的だもんな。誰かにとっての良い人はだれかにとっての悪い人かもしれない。
翼獅子くんの気味の悪さもフルスロットルで大変に良かった。74話のラスト3P、とてつもなく好き!!!九井さんの漫画は、人の感情の機微を丁寧に小さなコマでゆっくり紡ぐ独特のリズムをしてると思うんだけど、ここの部分は惜し気もなく大ゴマをドン!ドン!!ドン!!!!!で最高だった……。緩急の付け方~~!!あの顔の角度で出てくる翼獅子ちょう好き。
普通にライオスが迷宮の主になると思っていたから、急遽マルシルが迷宮の主になってしまってどうなるんだろう、どうするんだろうと先が見えないこの楽しみ。いやライオスが迷宮の主になっても展開は読めなかったんだけども。よりにもよってマルシルが、感は凄く強い。「みんなに生きて欲しい」願望はともかくとして、ついでで願ってる自身の本懐「寿命延ばして」は結構重い問題だと思うのよな……ちちんぷいぷいで叶えてはいけないような……。そこの所もどう料理するか楽しみ。
カブルーくんの本音、めちゃくちゃストレートで可愛かったーー!なんかもっと鬱屈した想いが沢山あるのかと思っていたら、すごくすごくシンプルでびっくりしてしまった。理解したい、友達になりたい。いい言葉。
本音と言えばファリンが「誰を犠牲にしてでも生き残って欲しい」って言葉残してるのも好きですね……。ファリンご本人は現時間軸で一切出ていないのに、どんどん好きになってしまうこのマジックよ。
ダンジョン飯 11巻
(九井 諒子)
#ダンジョン飯 #ハルタ