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101
鹿楓堂よついろ日和 17巻

1巻1話に出て来たお客さんが、17巻になっても登場するのなんか好きだな……って冒頭からしみじみしました。この作品って、作中の時間の進み方が凄く特殊なのよね。季節を描く度にキッチリ正確に進んでいるわけではなくて、登場人物のライフイベント事に合わせて少しづつ進んでいるんだけど、年齢は開示されないし誕生日を祝った事もないしで ”あれから何年経った” みたいな事がなくふわふわとしている。なんていうかな、時を止めたり進んだり、その都合よさが好きというか。だって私、まだまだ鹿楓堂のみんなと悩めるお客様の事を見てたい。不思議と飽きないんだよなぁ……。

角崎さんの場を動かす力、めちゃんこに便利だな!!そりゃ作者さんも重宝するし読者も好きだよ!!!一時期いっぱい出てて不思議に思ったんだけど、喫茶店というメイン舞台から出てこないスイと、自分からは動かない八京の話を進めるのに超重要人物すぎる!漫画に一人は欲しいですね、というメタ目線。それはさておき、スイはちょっと八京の事分からなさ過ぎじゃない!?!?八京の表情を見たら会社を継ぎたくない事なんて一目瞭然やないか……。でもそうやって純粋で屈託のないスイだから、周りに人が集まるんだよな~~ってのもあるし、ニブちんぷりもしょうがないなって納得する所もあり。でもさすがに分かるでしょ~~!ってヤキモキもある!!表情が死んでない八京、いつか見たいな……。晃くんとひと悶着あるのは分かりきっているので、そこは楽しみにしています。

『第八十八話 風は流れ、空は青く』が今回の巻で一番好きなお話です。話の筋というか、贄田さんのキャラクター性がとても良かった。そも外見からして今までにないタイプのお客様で、作者さんこんな引き出し隠し持ってたの~!?ってビックリしてしまったし……。
自分が一生懸命に心を砕いて取り組んだ作品では無く、ヤケで書いた作品が大当たりしてしまった。私はそうなった事はないので、気持ちを十全はかる事は出来ませんが、それって ”自分を否定された” ようで苦しかっただろうなぁと。世の中ではなく、自分自身に絶望している人に宛ててぐれが提供したのはアフォガード。苦くて甘くてあったかくて冷たくて、全部が溶け合った上で美味しい。贄田さんの心境に寄り添った最高の解で、こちらも心が解ける感じがしました。なによりアフォガード食べたくなったよね。濃いめにコーヒー淹れてやっちゃおうかなー!

息抜きのアホ回はきなこ多めで猫成分も摂取出来て良かったです。もちもちポンポンの猫は至宝。

20230509223428-motiri.jpg鹿楓堂よついろ日和 17巻
(清水ユウ)

#鹿楓堂よついろ日和 #バンチ

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