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179
冬期限定ボンボンショコラ事件
小山内さんが私好みの女子過ぎて困るんだが~!?
初手からこれを叫ばずにはいられない程によかった……よかったです………。大大大満足です。ちゃんと時系列に則って話すね……すぐさま言いたいんだけど……。
アニメ化してる作品だから感想を隠します。念のため。
読み始めは中学生の頃の事件と現在の事件が全くつながらなかったんだけど、『事件に巻き込まれいるはずの正体不明中1女子(実は中3)』が出てきた時点で「小佐内さんだーーー!!」ってなって気持ちよかった。第一気持ちいいポイント。
ふたつの時系列を行き来するのって読むのに集中が途切れることが多いです。頭を使うので。でも今回は事件があまりにも共通している事と含め、今までごまかされ続けていた互恵関係の始まりが知れる機会だったのでトコロテンのようにツルっと読めて常時面白かったです。まあ現在軸の話はそんなに量もなかったしね。毎日定時の繰り返しにイレギュラーをひと匙、というのが読みやすさに寄与していたと思う。
私はこのシリーズが『死者が出ないミステリー』である事が好きでした。でも今回はそれが叶わない予感がして、水面から鼻だけ出して呼吸をしているかのような息苦しさがありました。いつものねっとりとした謎じゃない、命の危機を伴った謎。
でもまあ、だからこそ1日で読破するほど夢中になったわけですが。気になるよ先がー!過去軸の事件の解明と現在軸の事件の謎及び小佐内さんのメッセージ。全部が小刻みに心地よく情報が増えていくのが楽しかったです。特に小佐内さんのメッセージね、意味深で良い。
トリック関係はハナから解こうとしていないので言及は割愛。私は合いの手を打つ係に徹するわよ!
でも過去軸コンビニカメラの件は神社でちゃんと気付いたので、中学生の二人はまだ甘かったんだなぁとちょっとニコリと。だけど日坂くんの人間関係はさすがに分かんなかったなあ。普通に彼女だと思っていた……痴情のもつれを危惧しての口止めかと……。だから大人が出て来た時ほんとうにビックリした。「そんなにデカイヤマなの!?」って。
小鳩くんの感情の鈍感さ、というか人の感情の機微を全く考慮しないさまって、大昔に大失敗を起こしたがゆえに蓋をされていた感じだったのかな、と。中学でアレだけのことがあったのに、高校生活の3年間で全然進捗が伸びていないというか。そもそもとして小山内と一緒に帰っていた小鳩くんは「笑ってた」のに、自分自身はそれに気付いてなかったってのが鈍すぎる。喜怒哀楽の『喜』の感情が謎解きでしか発揮しないと自分で思ってるタイプか貴様。
で、今までのその鈍さがあったからこその日坂くんとの邂逅が沁みたなあって。好意を受け取ってもらえなかったことが悲しかった。
この素直な気持ちを小鳩くん自身が気付いたことに感極まってぽろぽろ泣いてしまった。顧みれて良かった、伝えることが出来て良かった、って。若者の成長に私は弱い。
メインディッシュです。この二人の間に恋愛感情があるかは重要ではない。
それはいま置いておこう。
でもね、私はね、
明確な言葉にしないままに「I need you」を伝えるシチュエーションが大好物なんだよ……!「おいしいお店も探しておく。だからきっと、私を探してね。そうしたら……最後の一粒をあげるから」
「おやすみ小鳩くん。わたしの次善。」
小佐内ゆき!!やりおる!!!大好き!!!うわーーーもうーーーー甘酸っぱい……!さながらいちごタルト……!!ご馳走様です……!!あーーーー「わたしの次善」……おぎゃ……。すいませんちょっと良すぎて言葉が出てこないんですわ……。ああー………。すごい、しみじみ噛みしめちゃう。
大学生になった彼らを見たいなんて贅沢は言わない。ここでピリオドを打つからこそ美しい。小市民シリーズ、まるごと全部美味しくて楽しかったです!
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冬期限定ボンボンショコラ事件
(米澤穂信)
#小市民シリーズ #米澤穂信

