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言語化するための小説思考

付箋を貼らずに読んでしまったことを悔やむ程度に面白かった。文章を書くことに関しての実用書をそれなりに読むんだけど、感想に落とす事はしておらず。でもこの本はここ最近の中で一番のヒットだったので、とくに好きな箇所を自分メモとして残しておこうと思います。

そもそもとして前回感想を残した実用書はいつだ、なんだ!──1年前の【ライティングの哲学 】、なるほど。そして書き出しが今回と全く同じことを言っていて笑った。同じところをくるくると回り続けている。

小説について語るけど、小説の書き方を指南するわけではないっていう切り口がひどく斬新で。ひとくちで言ってしまえばエッセイなんだけど、下手な小説ハウツー本よりも多くの学びがあったように思います。だって『小説の「勝利条件」』とか考えたことなかったもの。面白いとは何か、の構造を解き明かして要素を抽出するのってこんなにもわくわくするのか。

「勝利条件」に関して、特にハッとした内容があって。

前略 必要以上に悩む箇所の多い作品は、そもそものコンセプトや「勝利条件」の設定が間違っている場合もある


思い当たる節がありまくる……。手が止まってしまって、なんとなくで視覚と聴覚の情報を描写してしまう時がある……!いらん情報で文字数を稼いだ結果、しっくり来なくて全消しするアレ……!(そしてここで「伏線はいらない」が身体を貫く)「誰に何を届けようとしているのかの設定が不明瞭だと道に迷う」という当然の事を分かりやすく示してくれる言葉で、目の前がぱっと開けた気持ちになりました。


『文体とは何か』の項目で言われている「読みやすさ」に関しての定義も目から鱗でした。あーーーなるほどーーー“情報量の差”かぁー!!!文体って言われるとつい一人称とか三人称とか神とかそっちの方を連想しちゃうんだけど、文体ってこう、もっと広いものなんだな……というのを初めて自覚しました。(たぶんすぐ忘れるので、思い出すためにこの感想を書いています)
漫画でもそうなんだけど、「読める」っていうのめちゃ大事ですよね。すごい嫌な言い方をしちゃうけど、その最低限の土俵に上がっていない作品なんて山のようにあるもの。視点と時間がコントロールされていない作品は読めない、演出以前の話で頭に入ってこない。
こと小説においての最低ラインはきっと「作者と読者の情報量をそろえること」なんだろうなあ。言葉で言うと簡単だけど、実際にやるのはとんでもなく難しいな……だって私は私だから……純粋な意味での“読者”にはなれないから……。
これを承知した上で小林先生は「小説はコミュニケーションである」って言っているんだから、本に書いてあること全てが腑に落ちて鱗が落ちまくりですわ。ぽろぽろぞ。
ついつい文章術の方に向いた感想を書いてしまったのだけど、この本が示しているのはまさに「小説思考」で、日常から作品を抽出するための視点を育てるためのアイデアが贅沢に書かれていました。視点と感性の養い方の本だこれは。

いやホントなんで付箋貼らずに読んでたんだろうか……。取りこぼしてるウロコいっぱいあると思うのですぐ拾いに行きます。


20251124143328-motiri.jpg言語化するための小説思考
(小川 哲)

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