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烏の緑羽(再読)
どちらの肩を持つか決めたはずなのに心が揺らぐ!!!!!!
風が……風が止まない……決めたはずの方位がぐらぐらと揺れる……。そんな衝撃の再読でございます。1回目の感想はこっちです。
以前の感想で路近のことを「サイコパスってやつなのでは?」って言ってたんですけど、なんか、こう、違う、な?いや、現代で言うところの何かしらの名称を与えられる性質を持っているのはそうなんだけど。もっとずっとシンプルで、「愛を知らない悲しきモンスター」なのか彼は。いやそれにしたってそれが長束さまに仕える動機には全然ならんのだが。
……あーーーーーー、かつての自分が殻を破った瞬間を今度は他人で見たかったのか……?で、その時に何を選択するのかが見たかったのか……?いまいちこの辺り腑に落ちてないんですよね。
そもそもとして過去の私、“路近が長束さまに仕えた理由が分かった”って書いてるけど今の私は全然分からんが!?何を見ていたんだ過去の私は。いやいやいや、ちゃんと理由は文章内に記されてるんだけどね、なるほど力が低くなってるんだよな……なんでだろうな……。 求められていることと自身の信じる美しいものとの間に、恐ろしいほどの乖離がある。今はそれに気づいていないが、彼は決して阿呆ではないから、必ず気付く時が来るだろう。
そう思ったからこそ、路近は長束に仕えることに決めたのだと、まるで歌うように言う。
「その時、あなたが何を選択し、この山内をどうするのかが、ずっと楽しみでならなかったのです!」
ああ、引用を書き写していて“分からない”理由が分かったかも。あの過去を語ったうえでここに繋がるのが納得できないんだ。端的に言っちゃえば人の不幸や混乱を肴にして酒を飲むタイプの動きをしている事に違和感を覚えているというか。んあー、違うかーーーかつての自分が失敗した、力の行使を他人がどうするのか見たかった、……こう!?ああーそうかもーー!!あーーー感想書いててよかったーーー納得出来たーーー!!なるほどなーーー!!超絶……超絶スッキリした……。そうか、そうだよな。だからこそ『力を持つものの振る舞い』を演じることが出来るようになったんだもんな。点と点がつながりました、良かったです。
【烏の緑羽】を読んでいた当時、読みたかったのはこの話じゃないのよっていうのは本当にあって。割と後ろ向きに読んでいた事を記録としても残してあるのだけど、今回はただただ純粋に「長束さまの心を知りたい」の気持ちで物語に向き合えたので良かったです。ほぼ全てが見えた状態での再読って味わいが違いすぎて楽しい。
翠寛の話も当時より興味深かったと共に、紫苑の宮が彼からの影響をそれなりに受けていそうなことを端々から察せられ、次作の再読に胸を躍らせています。初読にこれ以上ないばかりのあんぽんたんっぷりを披露したからな【望月の烏】は……!リベンジマッチ(?)じゃい!
話はガラッと変わるんですが、長束さまのこの発言すごく良いですね。「馬鹿を言え。地道な道こそ、一番苦しくて、一番まっとうで、だからこそ一番楽しいのではないか。それが理解出来ぬとは、お主もまだまだ子供だったのだな」
すごいな、こんなこと言える人に私はなりたい。
ずーっとずーっと長束さまのこと下に見てたんだけど(ぶっちゃけた)(世間知らずのボンボンの印象が抜けなかった)、そんな彼からこんなにも力強い発言が出てきて。だからこそ、自分の予想を遥かに超える成長と飛躍に胸がいっぱいになりました。初読の私、マジで長束さまのことを見てなかったんだなって反省……。見てるよ、今はいっぱい見てるよ!
だからこそ誰の肩を持ったらいいのか悩んでるんだよまた~~~~~!!!!!
うおーーーー!!!雪哉の肩を持つって言ったのにぃ!
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烏の緑羽 /八咫烏シリーズ
(阿部智里)
#阿部智里 #八咫烏シリーズ

