2025年1月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

No.
175
邪神の弁当屋さん 1巻

読切の時に「好き!!!!!!」ってなってたので、連載が始まった時にすごい嬉しかった〜!ゆったりとした気分で楽しみたかったから、毎月の無料Web掲載を追いかけずにコミックス化を待っていたのだ。ようやく読めて幸せです。

レイニーの表情が終始淡白でデフォルメ絵がホントにデフォルメなのが可愛くて好きです。そしてメルヘンなお顔をしつつも言葉がなかなかに鋭利。(・∪・) < しょっぺ!! とか。
絵自体も好きなんだけど、コマの間の取り方に独特の味があってそこにも惹かれています。感情をモノローグじゃなくて絵でちゃんと表現している。例えば「>私を値踏みしに来たところで、ただのしがない弁当屋ですよ」のところ。時間の感じさせ方も視線誘導も全部整ってるから痺れるぜ……。眼鏡を外すコマの絵の置き方がパーフェクト。斜めコマってのはこういう用途で使うんだよな……。

パッと見では第二の人生において迷いがないようにうつるレイニーだけど、今もずっと迷ったままお弁当に具を詰めているんだろうなあ。高さを出す、隙間を埋める。自己暗示のようだ。

ニワトリのチュンちゃん、吹き出しの文字がキレイな明朝体なのすっごい好き。座りたい。表紙で仁王立ちの二人めちゃ良い絵だよ〜!今後この絵を超える表紙が来る気がしない正直。仁王立ちがほんと良すぎる。

お弁当を作る事により発展するアレコレよりも、神と人のうんぬんかんぬんが本題なのかな。読み切りの時点では「お弁当売り邪神のハートフル善行物語」だと思っていたので、「思ってたんと違う」味はちょっとします。ソランジュの過去や未来も当然気になりつつも、タイトルの『弁当屋』が意味をなさなくなったら悲しいな~って。現状ではお弁当が重要なファクターになってる雰囲気がしないんだよなぁ。かと言って『食』の方にフォーカスを充てているわけではなく。食べる=命を繋ぐ=愛と生の話なのは分かる。

……って不安がってたら2巻の予告でダリアがおにぎり握ってるわね!?お弁当要素確認ヨシ、やった!


20250130172821-motiri.jpg邪神の弁当屋さん 1巻
(イシコ)

#邪神の弁当屋さん #ヤンマガKCスペシャル

編集

No.
174
僕のヒーローアカデミア 42巻

ジャンプの漫画でここまでの巻数走り切ったの初めて~!途中で脱落してしまう事がどうにも多く。第二章辺りまで追いかけていたものの徐々にフェードアウトし、結末を知らない作品がいっぱいあるんだジャンプは。故に完結まで付き合えたという事にまず感動しています。
最終決戦で離脱の危機に瀕したけど、耐えきって最後まで読んで良かった。面白かったです。


最終決戦が終わったのに、エピローグで丸々一巻分なにやるんだろうな、って疑問に思っていました。でもそれって本当に漫画的な考えで、戦いが終わっても彼らの生活は続いていくんだもんな……。戦いが終わった!終!も綺麗な区切りである事は確かなんだけど、そこを着地点とせずキャラクターの生にフォーカスを充てている感があって素敵だなって。ヒロアカ感想ではいっつも手のひらクルクルマンをしてしまうぜ。

『地獄の轟くんち・FINAL』で夏くんが「俺はもう付き合わない」って態度を示した事に、ある種の寛容さを感じました。

「ごめん」って言われたら「いいよ」って言わないと、反転こっちが加害者になる的なアレな気持ち。そして様々な出来事を経て、父親を許す準備が出来たであろう夏くんがこの場面に駆けつけてくれたのが何だか感慨深かったです。
僕のヒーローアカデミア 39巻 感想より


夏くんは荼毘がしてきた事までは許容できなかった。また「漫画のお約束」みたいな話をしてしまうんだけど、ここは家族一丸となってやっていくところじゃないですか。でも轟家の未来に対する展望がひとつになる事はなくて、夏くんはハッキリと拒絶した。その選択に際し、「許せないものは許せなくてもいいよ」って言われたようで、心が解ける心地になりました。世の中キレイなもんばっかりじゃないんだ。
でも焦凍はキレイなままで素敵だと思う。はじめの一歩で好きな食べもの聞くのすごく良かった。


味方側の描写はガッツリやってくれるだろうという信頼はあったんだけど、まさか敵側までもちゃんと描いてくれるとはなあ!オーバーホールこと治崎くん、もう出番がないと思ってたよ……。やってる事は最悪も最悪だけどビジュが好きでね……。いやあ良い感じにくたびれてクタクタの情けないツラになってますね!組長さんの「>壊理はお前を忘れるが お前は壊理にしたことを忘れるな」って言葉、足りない部分が全くない言葉で非常に好きです。謝れって言ってんじゃないのが最高。そんなの今さら貰っても壊理ちゃんの傷は癒えないもんな。


お茶子のパート読むだけで瞳に潤いが出来るのでなんかこう、なんか。言葉にするのも野暮ってなってるところがある。悲しみに解を出すんじゃなくて、寄り添うことを主とする姿勢がデクくんらしいなあと思いました。分かんないことを分かんないままにしておける強さを感じる。


「もう大丈夫だからね 〝おばあちゃんが来た〟からね」

や~~~~~~~~も~~~~~~な~~~~んも言う事はねえよ~~~~。畳みかけでボロボロ泣いてしまった。
ニュース映像の『主婦(70)』として出て来た時は「貴方も弔くんを止められなかった一因なんですよ!!!」ってめっちゃ鼻息荒くしていたんですけども。それがこの形で収まるとは。
『皆がヒーローになるまでの物語』はヒーローとヴィランの皆に掛かっている言葉だと思っていたんだけど、皆って本当に皆なんですね。これほどまでに力強いメッセージは中々ないよ。「君もヒーローになれる」そういう事だもの。何を成すかではない。手を伸ばせば、それだけで。

コミックス描き下ろしでの「公式が最大手」を示して下さりありがとうございました……。この方は本当に漫画が上手い……。最終話じゃなくてオマケでコレをやるからいいんだよ……。しみじみ良かった……。

作品外においても、堀越先生からキャラクターへの愛情をひしひしと感じる事が好きでした。先生自身の根っこは闇深そうなのに、描かれている内容が光オブ光っていうのも大好き。次回作も楽しみにしています。

あっ!言うの忘れてた!八木くん生存おめでとう~~~~~!!!のんびりとした人生歩んでってね!!!!
畳む



20250125111946-motiri.jpg僕のヒーローアカデミア 42巻
(堀越耕平)

#僕のヒーローアカデミア #ジャンプ

編集

2024年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

No.
173
鹿楓堂よついろ日和 20巻

小鶴ちゃんと銀ちゃんが出てくるお話は全部かわいくて好きだなあ!小鶴ちゃんのほわほわ、銀ちゃんのハキハキが上手くかみ合っていて読んでいて楽しい。あと女子中学生が画面にいると鹿楓堂のみんなの大きさというか、「お兄さん感」がひときわ際立って乙である。
椿くん作スペシャル☆マシマシバージョン、フルーツにあんこに白玉にわらびに抹茶アイスに生クリームに味変の黒蜜まで……!こんなの絶対美味しいやつだよ!飼想を書くために漫画を読み返しただけなのにパンケーキが食べたい気分になってしまったぜ……。今日のおやつに作ろうかな『極もち』で……みりん大匙1入れて……。やー、良い話っていうのは同時に飯テロにもなるんだなぁ。おなかがすきました。


【看板猫の一日】は、作者さんの猫に対する愛と猫飼あるあるが詰まっていて面白かったです。きなこのもちもちでやわやわの作画好きなんだよなあ!まるっふくってしてるよねきなこ。大事な話の前に挟まってる休憩回の割に謎の読み応えを感じたのは、私が猫派だからでしょう。あとスイのお布団に入ってくとこね、あれちょっと読者サービスなコマがあって良かったです。「>入る?」のとこ、良いアングルだ……。


鹿楓堂を離れてのホテル宿泊回!まさかまさかの!今までも旅行回とかあったけど、「日常の延長線上」の話作りになってた気がするので(海の家で活躍しちゃうとか)、完全にオフモードというかおのぼりさん状態の彼らを見るのは新鮮だなあ。ハイエンドホテル初心者パーティ。
スイーツの事になるとバグりまくる椿くん可愛い。角崎さん個人の事は警戒するけど、パティシエとしての角崎さんに対してはただのファンボーイだしね……。推しのおもてなしに滅多に変えないクッキー缶、そりゃあテンションも変になるというもの。しっかしパンケーキに続いて美味しいものが食べたくなるなあホント!

ホテルステイの仕方、四者四様でここは「いつも通り」ですな!ぐれがプールで泳ぐの納得も納得だし、椿くんがラウンジ行かないでお部屋でまったりしてるのも解釈一致です。スイとときくんがバーラウンジでぼんやりしてるのもそんな感じする~!和コンビの二人、外見からすると「古い物好き」に見えるし実際にときくんはそうなんだけど、コミュ力というか「他人がいいと思ってるものに触れよう」とする姿勢が前に出てて、バーラウンジに行くのもその心持ゆえなのかなあと。というか社長と同じ顔の人がくつろいでたらビビるよね、スタッフさんの反応が可愛かったです。

あと本題に全然関係ないところなんだけど、プールに居た家族の作画上手すぎひんか??お母さんが良い感じに体型が崩れてるぽよぽよ感があって、子供たちの平でいてやわらかい感じもTHE幼稚園児!で身体の描き分けが上手い。そしてなにより顔立ちよ!!お母さんとお父さんが両方とも白目広めの四白眼気味で、子どももそれを継いでるんですのね……。絵が、絵が上手い……!

クレープ・シュゼットと言えば別作品の人なので(信長のシェフ)、ここでも出て来た!という謎の感動がありました。炎の演出、何度見ても凄いスイーツだ……。眉ひとつ動かさずに淡々と進める佐々木さんのカッコいいことよ。いっつも目かっぴらいてる無言の彼が、言葉を発したあとにふとはにかんだと思ったら、その後に倒れるっていうのも良かった。きみは椿くんのファンボーイだもんな……。お写真一緒に撮れてよかったね、帽子かわいいね。

というか身内で新商品の試演してんの上手いな白金。お客でもあり、身内でもある立場からの適切な反応と感想を貰える機会を上手く利用している。角崎さんはありとあらゆる意味で上手い。
八京が来るのは既定路線だから驚きはなく。不穏の種はまだあるから気が抜けない八京関連。スイとは対話を重ねて関係値が少し改善してきてはいるんだけど、まだまだ表情が硬くて心配なんだよなあ。晃くん関係でまだ何かあるでしょ。
会社を継ぐしかなくて、イヤイヤ継いだものだと思っていたのだけれども。そうじゃなくてちゃんと八京自身のやりたい事の一部になってるのかな……。でも自主的に始めた夢や目標じゃないから、自分自身の事が分からなくて戸惑ってる?そんな風に見えました。どうなんだろう。いつか明るく笑って欲しいなあ。読者はまだ八京の笑った顔を知らんのじゃ。

今回もよだれが出たりほっこりしたりと楽しい巻でした。次巻はお店でのお話いっぱい読めると嬉しいな!主要キャラのわちゃわちゃは大好物だけど、お客様との出会いも好きなのだ。


20241122121918-motiri.jpg鹿楓堂よついろ日和 20巻
(清水ユウ)

#鹿楓堂よついろ日和 #バンチ

編集

No.
172
異世界の沙汰は社畜次第 6巻

距離が一気に縮みましたなあ!今までグイグイグイグイ来てたアレシュさまが物理的・強制的に離れる事によって、お互いの存在の大きさに気付くという王道展開。大変よろしい。表紙だけ見ると切迫した状況に見えるから、ちゃんと「おかえりなさい」って出来て安心したところもある。や~……実際に命と貞操の危機でしたね………あのタイミングでアレシュさま来なかったら修羅場もいいとこじゃん。

聖女ちゃんこと白石さん………、って前回の感想も二段落目で彼女の事を言及しているな?私は白石さんが出て来ると『世界』を感じて安心する人だよ。コンドゥさんとアレシュさましか出てこなかったらこの漫画を読み続けてはいなかったと思う。
そんな彼女、イケメンに弱いところも好きポイントなんですが、コンドゥさんが語る「ユーリウス殿下には惹かれてない理由」に目から鱗でした。髪の毛と瞳の色での親しみやすさ!なるほどね~!!いやそうだよ、茶髪とか黒髪だと日本人っぽくて見慣れてるんだ。「>金と銀は王家の証の色なのに!?」のユーリウス殿下かわいいね。それはね、お人形さんの色なんだよ我ら日本人からすると……。殿下の恋路に幸あれ……。

色といえば、アレシュさまとシーグヴォルド司祭の瞳の色が紫っていうのが今後何か関係してきそうな感じ?そうじゃないとあのコマの大きさの尺はとらないと思うので……。シーグヴォルド司祭、異様なほどにコンドゥさんにがっつくので、人柄の好悪以外にも惹かれる理由があると納得ポイントが上がるかもしれない。アレシュさまの方は早めにガンガン来ないと物語が進まないから半ば「ご都合」として好感度上がるスピードが速いのは納得できるけど、ジーグヴォルド司祭はちょっと違和感があって。当て馬ポジが欲しかったのはそうだろうけども。

アレシュさまを見るコンドゥさんの表情が乙女化している~!下がり眉の上目遣い、女の子の表情なんだよな……。ほどほどに、ほどほどにして男でおってくれ……!ここはちょっと私の好みから外れてきているところかもしれない。キリッとした硬い表情しているコンドゥさんが好き。いや、その難攻不落のカタブツが、好意を持っている相手に対してゆるゆるの表情しているっていうのがミソなんだけど……!それはそう!!!……クッ……自分で言ってて何がアカンのか混乱してきた……棚上げしとこ!

宰相様が出て来ると仕事と政治の話が進んで面白いですね。何度も言いますが私はこの漫画に社畜要素も求めているので。『宗教法人』って言葉が異世界転移漫画で出て来るのちょっと笑っちゃった。信仰は難しい問題だよ本当に。

私の清涼剤、イストくんがいっぱい出てきたのが目の保養になりました。「ω」口好き。


20241121105044-motiri.jpg異世界の沙汰は社畜次第 6巻
(コミック:采 和輝 / 原作:八月 八)

#異世界の沙汰は社畜次第 #Bs_LOG

編集

2024年10月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

No.
171
多聞くん今どっち!? 9巻

うたげちゃんはF/ACEが絡むと頭がラブアンドピースになるから可愛いですね「>いるだけで地球救ってる こんなに色々やってくれたらドーパミンで地球爆発しない?大丈夫かな~~~」。いやしかしチェキ会もミニライブもあるファンミって実際すごい豪華だな!?長い間ファンミという文化を知らないで育ったけどここ2年ハマっている界隈にはファンミがあるので、このゴージャスさが今なら分かる。事前質問された内容を解答をしていくトークショーっていうのがテンプレのイメージ(チェキもあったけども)

ファンミねぇ、悔しいけどねぇ、桜利くんのQAに一番ときめいちゃったかな……。なんだよあのあざとゴリラは。大好きです、って言われて「>僕も大好きです」ってあのツラで言うのは卑怯だと思うんだよな……ゴリラの癖に……。三点リーダの数で私の悔しさを感じ取ってくれ。
倫太郎くんいっぱい喋ってプロテインのみんな良かったね。綺麗な〆でした。

いやいやいやいやいやいやいやいや、今回表紙からして「何!?」って思ってはいたんだけど!漫画読んでから表紙に戻ってホクロの位置確認してもうたんだけど!何!?!?凛香ちゃんの「>なんでここにいるの?」にも納得も納得だよ!!!! ダブル多聞に混乱してたからネタバラシ早いの助かる……お兄ちゃん……野生のイケ原……。

プライベート情報に滅私しようとしたり、多聞教やってるうたげちゃん見ると安心する。

「多聞くんは?」「ペガサスです…!」

久々のやり取りにほっこり。


多聞くんの制服姿、すごいきゅんと来るのでうたげちゃんが終始爆発してるの気持ちすごい分かる。最推しがこの姿なんでしょ?死ぬわ。自分が離れたところでイケ原スイッチをオンにしている多聞くんに躊躇なく「かっこいい」って出来てるのなんか微笑ましかったな。うたげちゃんなあ、崇拝対象が向こうから触れに来るから大変だよ……。このツイートでめっちゃ思い出しちゃったもん。

推しっていうのは空に輝く星であって星側から来られたらただの隕石なんだよ


そして明かされる多聞くんの過去。ジメ原くん見てると「なぜアイドルを目指したんだ…?」と疑問符が浮かぶ事が多々あったので、その動機としての「笑顔にしたい人」の存在を知れたのが良かったです。
ただ、エピソード的には多聞くんの過去を開示しているというよりはお兄さんのエピソードを語っている印象が強く、「多聞くんのエピソード」としては強く心に残りませんでした。語り手が多聞くんなのに、過去話の中で心境を多く語っているのはお兄さんの方なのよね。幼多聞くんの気持ちをモノローグではなく行動と表情で見せる事に意味があるのは分かるんだけども。仕込みの話だったな、という感じ。


たもうた要素は次にババンッと来るようでそっちが楽しみです!闇のジメ原さん、どうなる…!?また私はドン引くのか……!(ドン引き1回目 )乞うご期待!(?)


20241005140358-motiri.jpg多聞くん今どっち!? 9巻
(師走 ゆき)

#多聞くん今どっち!? #花とゆめ

編集

No.
170
ライティングの哲学

実用書や自己啓発本の感想はあまり書かないようにしています。2023年8月の『Kindle Unlimitedで本を読もうキャンペーン』 は特別枠として、一冊一冊に言及していたらキリがないし正直面倒なので……。でもこの本はべらぼうに面白かったので、メモも兼ねて感想を書きます。

「楽にブログの文章を書けるようになりたい」。そのヒントを探して手に取りました。もうね~、がんばりたくないの私は!楽になりたくて、軽くなりたくて、技法書や自己啓発を読み漁ってるの!だからこの本にも、そういった救いを求めて手に取りました。
が、やはりそんな銀の弾などなく。というかこの本はそれを求め、足掻き、藻掻く人たちがただ対談しただけの本。銀の弾はなかったけれど、だからこそ逆に私の求めていた情報が沢山散りばめられていました。暇つぶしで読むんじゃなくてフツーに時間作って読んじゃったもんなー!文章術のハウツーとしての面よりも、エッセイや読み物として面白かったです。


「諦めること」への言及が多く、中年期に差し掛かっている自分には深く刺さりました。

ヒトとしての成熟が「自分はきっと何者かになれるはず」と無根拠に信じていなければやってられない思春期を抜け出し「自分は確かに何者にもなれないのだ」という事実を受け入れる事から始まるように(地に足のついた努力はここから始まる)、書き手として立つことは「自分はいつかすばらしい何かを書く(書ける)はず」という妄執から覚め、「これはまったく満足いくものではないが、私は今ここでこの文章を最後まで書くのだ」と引きうけることから始まる。

― 断念の文章術 P137


刺してくる刃物が鋭利すぎるんだよ~!執筆だけではなく、全ての活動に当てはめられる名文だと思います。「もっと、もっと」という幼児性を諦めて、今のあるがままを曝け出す事しか『完成』はないよ。文章を、さては絵を楽にかけなくしているのは自分自身の心であり、テクニックとかそういうところではないんだろうなぁということを深く感じました。


また「原稿は書けないのに何故Twitterへは連投出来るのか」という話題でも、「諦めること」へ繋がっていてなるほど、と。連投しやすい理由のまずひとつは140字という制限(まあこれは今ではそうじゃないんですが)。そしてふたつめが、オーディエンスがいる事への取返しのつかなさ。

人に読まれてしまった、少なくとも何人かの人に読まれてしまったという事実は、消えるといえば消えるので本当に取り返しがつかないと思わなくていいんだけど、まあまあ取り返しがつかない。

― 座談会その1 挫折と苦しみの執筆論 P109


いやほんと、自分だけが抱えてると永遠に手直し出来るから「もっと、もっと」ってなっちゃって無駄にこねこねしちゃうんですよね……これは自分の漫画に対して言っているんですが。もう何年も言ってるもの「仕上げをすると“もっといいものが出来るかも”という期待が霧散してモチベーションが落ちる」って。それを『幼児性』とバッサリ切られるのは中々に心地が良いものですな。


上のように、自分が普段言っていた事と同じような話が出て来ると少し安心します。

できれば生活リズムを一定にし、疎かになりがちな食事、運動、休憩を意識的にとって気分転換し、コーヒーや煙草といった個人的ルーティンのなかでログを確認し、また、今日もまた、どんなに晴れていても、指先が凍りつくように寒くても、ニュースがなにを言おうとも、外でなにが起こっていても、この画面に向かう ――スポーツあるいは修行、としての執筆。身体と習慣としての執筆。

― 書くことはその中間にある P175


「漫画を毎日描きたかったら毎日描くしかない」、これよ。作る、という作業は苦しみをともなうこと。なんていうか、祈りや怒りだと思うんだ、表現する事って。だから自己の状態によってのったりのれなかったりするんだけど、そういうのを脇にそっと置いて、とにかくやるっていうのが大事なんだな、と。
豊富な知識を持つ人生の先輩たちですら、創作エンジョイ勢の私と同じような悩みを抱えている事にとにかく親近感を覚えます。やれない、やりたくない、でもやるしかない。だってそうしないと心がおさまらないんだから。

そう、私は『心』でさまざまなものを落としているんですが。著者の中でも同じようなスタンスの方がいて、その方の悩みが凄く腑に落ちました。

構成を作ると、感情が消える。

いやこれほんとに!本当にそう!でも感情と勢いに任せて偶然が発生する事を願うと、それはそれで破綻するし!むずかしーなー!【BLEACH】の久保帯人先生が言うところの『ライブ感』って本当に大切な事だと思う。風呂敷を(綺麗じゃなくても)畳めるなら、構成は二の次にした方が感情がでる、のる。この本で言うところの「禍々しさ」「混沌さん」。こと表現の世界では、秩序こそが正しさではないんだろう。――でもまぁ、多少の秩序はないと読みづらくて他人に届かないんだけど。むずかしーなー。


いやーほんと良い本だったな……。論文や小説を書く人には私よりも得るものがあるのではないだろうか。おすすめです!


20241004124536-motiri.jpgライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論
(千葉 雅也、山内 朋樹、読書猿、瀬下 翔太)

#自己啓発

編集

No.
169
交換日記がおわっても

オタク友達を題材にした実録エッセイ。あまりにも光属性すぎるので嫉妬の「し」の字も生えてこないわよ!全編微笑ましく読めるのが良いです。

対談とかリレー小説とか中高生の頃に作ったオリキャラとか、うっかり『黒歴史』扱いしそうになるものを、そういった言葉や自虐を一切使わずに描いているのがホントーーーーに最高だった!なかなか出来ない事だよ~!だって大半の人がするじゃん、羞恥心から自己防衛しちゃうじゃん。私だってちょっとしちゃいそうになるもん。こちとら黒歴史更新中やぞ、って。
そうなってしまう人がいる一方でイチノさんは、「あれがあるから今がある」って想いから胸を張ってこのエッセイを描いている事に強い好感を持ちました。昔のオリキャラを今の画力で描く遊びもね、すごい好き。
そもそもとして漫画が読みやすいし面白いのよ純粋に!メリハリと緩急!不快な人がいないハッピーな世界!ラブアンドピース。

イチノさんとさいさんの人柄に対する褒めはまだ書けるんですが、このエッセイの肝はそこではないので控えるとして。……アッ!でも最高も最高だと思ったところひとつだけ挙げていい!?
>今回は喜んでもらえたけど さいちゃんの知らないところでさいちゃんの人間関係に私が入るのは よくない場合もあると思うから次からはしないね
ココ!ほんと!イチノさん!!素晴らしい!!人間が出来てる!!感心が一周回ってビックリしちゃった……。あまりにも、あまりにも人間が出来過ぎている。こんな具合で周りが見え気遣えるからこそ会社で無理しちゃったんだろうな、というのが分かる発言。同じジャンル、同じ作品、同じ人が好きだとついつい距離感がバグってしまいがちですが、そこはちゃんとしていかないとな、と己を省みることも出来ました。こういうね~、細かいところが本当にちゃんとしているエッセイなのでノンストレスもノンストレスなのよ。すばら。

話を漫画に戻して。誕生日プレゼントのお話、イチノさんの行動力が半端なくってビックリすると同時に、巻き込まれた周りの人たちが善人だらけで見ていて楽しくなっちゃうねえ!
1年目、2年目、3年目とあの手この手でミクロマンの記念物を生成するイチノさんマジでパねえわ……。さいさんの「まってまってまってまって」からのイチノさんの「まつね」のやり取りが好きでたまらん。いっぱいまってる。3年目になると待ち方も進化していて素晴らしいですね。
プレゼント回はどれも好きなお話なんだけど、一番好きなのは【第17話 日本銀行券で手に入らないもの】です。クロネコさんの反応がべらぼうに良い。スッ………サッって戻して「こわい」。

「いいんですか?」「いいんですか?」「いいんですか?」「いいんですか?」「いいんですか?」

表情をとくに変えずに連呼するクロネコさん。泣きながら「こわい」を連呼するクロネコさん。いやーーーー……突然の供給にうろたえるオタクの姿はいいものですね……。あと共感ね……これだけされたらこうもなろうぞ……。よかったね推し絵師に夢漫画描いて貰えて……。
一方でひつじさんもお強い。長文感想が凄まじすぎて笑ったしココのコマ割り、漫画が上手すぎてビックリする。イチノさんって純粋に漫画がお上手だよやっぱり!

それにしたってさあ。商業本使って親友にサプライズするのマジで凄すぎない?外野の私もビックリしちゃったもん、アレ。イチノさんからさいさんへのラブレターなんだなこの本は、って読みながらにずっと思っていたけど、最後の最後でそれが確信に変わった。すごい。あれはすごい。ただの読者である私も、あれにはビックリしたしとても満たされた気持ちになったよ。
全編通して良いノロケ話でした!ごちそうさまです!


20241003114955-motiri.jpg交換日記がおわっても
(AK壱乃)

#コミックエッセイ

編集

2024年9月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

No.
168
猫と紳士のティールーム 4巻

何回、何度見ても、『本日の紅茶 700円』が安すぎる!!!!うらやま!!!こんなん近所にあったら毎週通ってしまうわよ……。

お客様の好みを聞いた上で「ちょっと冒険しませんか?」と提案する瀧さんかわよい。人見知りはするけど、紅茶に関する事ではぐいぐい行けるんだもんなぁ。夢中になれるって大事。
紅茶にコーヒー(ティラミス)を組み合わせるのは思いもよらなかった……!ウヴァ、たしか飲んだ事あるのよね。その時わたしも「強ッ!!」って感想を持った気がする。いつか試したいなこの組み合わせも!来月のお茶会でやるか!……いやでも来月はザッハトルテ通販するのよ誕生日ボーナスとして!アールグレイとチョコの組み合わせは本当に美味しい………まさにどハマリ中……。

片出さんにもすっかり見慣れて来ました。顔を見た時に「おっ!」ってよりも「おう」ってなってしまう。いつもの存在の安心感に色んなお客様を運んできてくれる存在……LOVE……。
というか今回の巻、恋愛要素をプラスアルファの道具として使う事が増えてきましたわね?

グルメ漫画が人気なのは食欲と結びついているから
恋愛漫画が人気なのは性欲と結びついているから
note『商業連載を終えて思ったこと』より


この分析を拝見したとき、ひたすら納得しました。生理的欲求のうち睡眠欲は漫画では満たせないけれど、食欲と性欲なら漫画で疑似的に満たせる。なるほどなるほど。そしてこの漫画でもその二つを巧みに使っているな、と。
お茶とスイーツにお客様の恋愛模様。生理的欲求の欲張りセット。面白く感じる訳です。

話を第16話に戻して。キューピットのカップで大今さんを応援してるとこ楽しい。「コクンッ」「コクッ」のとこ大好き。男同士の阿吽の呼吸よ……。不器用+不器用カップルが上手い事まとまってよかった~!二人とも癖強いけど二人とも微笑ましいんだもの。この漫画で「>水分補給に娯楽を求めたことない」って発言する人間が出るとは思わなかったよ!漫画的に言えばココで宗谷さんが紅茶に目覚める流れなんでしょうが、「美味しい、飲める」に留まったのがどことなくリアルで良いなぁとも思いました。


片出さんにべったりのキームンくん可愛すぎんか。今巻もキームンくんがいっぱい出てきて嬉しいねぇ……セクシーショットもありがとうね……。
アフターヌンティーのお作法知るの楽しい~。この間ともだちと「アッ!いかん!両手で持ってしまった!」ってキャッキャした。京都人的な嫌味があちらにもあるんだなぁ。

「こんなのもう妖精の食べ物じゃん」

この巻で一番好きなのココです。しかも薔薇食ってる妖精が可愛くねェんだこれが!
薔薇の香りを紅茶から感じた事ってないなぁ。いやまぁいっつもアールグレイを飲んでいるからだろうけども。コーヒー豆でも「フルーティな香りが…」って言われてもお花を感じた事、ない。やっぱりペアリングでのマリアージュで増幅させなきゃダメか。

瀧さんちの企業の末端がブラックなの笑っちゃった。そりゃああの反応になる。『家賃の味』である事が判明するバックグラウンドであると共に、こうやって世界を広げるんだなぁって感心しました。瀧さん、及び片出さんを起点に色んな人間関係が広がっていくのが楽しい~!
弟からの漠然としたチクりに「>静ちゃんはもう部外者でしょ~」って言える兄上もいいよね……。具体例が出てから動こうとするのが身内びいきしてなくてまとも!


私はねえ、恋愛が結びついてる話も好きだけど、人を癒すための食事っていうシチュエーションが一番の好物でね……。だから【第18話 ジンジャーティーとスティッキートフィープティング】のお話も凄く楽しめました。いかん、感想を書くために読み返していたらまた涙腺が緩んできたぞ。歳を取ると本当にこういう話に弱いんだ。若者が頑張る姿が心に刺さるんだ。
このお客様が就活を頑張っているんであろう様子を、靴ズレしている足元をそっと映す事で描写しているのが最高。これ見よがしに過去回想シーンとか描かず、足元の1コマと次に来る瀧さんの視線だけで分かるようにしている。心がじわじわと痛い。
そしていつも人の目を真正面から見れない瀧さんが、彼女を真っ直ぐ見つめる事の威力。身体も視線も、彼女(/紙の向こうの私達)に向き合っている。こんな場面は一度もなかったんじゃなかろうか。もーーーほんとーーーにこの場面デカい!強い!今まで絶対なかったって!正面から真っ直ぐ見てる絵って!良い……。心にガツンと来る……。
終わりに、宗谷さんの「ウェルカムトゥ弊社」Tシャツで〆るのもほっこりして良かったです。ハッピー……。前のお客様が良い感じに出て来る展開ってそれだけで温度が上がるぜ……。


姪っ子ちゃんタイフーン!!!こういう美人さん好きだわ~。それとアレ、アレよ……。瀧さんにもロマンスの香りを放ってくるので!?!?いいやん!!!!!!!!!!!!!!!!亀本さん好きだよ私!!!!!いいよ!!!!!!楽しみにしてるね!!!!!

ペラペラしてる二人にキームンくんが困惑してるのがめんこい。今回もずっとカワイイねキームンくん。それにしたって「SFTGFOP」ってなによ……初めて聞いたぞ……。紅茶の世界は奥深いなぁ。私は美味しいものが好きで、ただそれを享受したいだけなので知識を得ようとは思っていないんですが、この漫画を読めば読むほどに知識欲もムクムクと沸き上がって来るから凄いなあと思います。これは前回のお勉強会でも似たような事を言いましたね。

ハァ~。瀧さんが食べ物の話してる時みたいな語彙力と表現力で漫画の感想を書けたらなぁ!色んな欲を刺激する良い漫画です。次回は帰省回も入って来るのかな?ご実家楽しみ~!


20240929130655-motiri.jpg猫と紳士のティールーム 4巻
(モリコロス)

#ゼノン #猫と紳士のティールーム

編集

No.
167
マリエル・クララックの婚約 9巻

よくぞ10巻以内で完結してくれた!完璧!!最高!!!!

好きな作品の早期完結を願うなんて、よろしくないのでしょうが。でも己が傾向として、10巻以上続く少女漫画を完走出来た例があまりにも少なくて……。両想い期間が長らく続き、主人公たちの問題よりも周りの問題に翻弄されるようになると「まぁもういいかな……」となってしまうのだ。
ゆえに、出会いから結婚までをこの巻数で納めてくれたコミカライズに感謝と尊敬の念しかない。気持ちが冷めるってちょっと悲しいので。好きなまま終わってくれた事で、良い思い出としてずっと噛んでいられる……ありがとう、ありがとう……。

さて本題。触れたい事がそれなりにあるので、ひとつひとつの話題は短めにするぞ。

『意地悪』が『その人の萌え』って変換、マリエルらしくてなんかいいなぁって。善性が出ているとでもいうか。自分の萌えは他人の萎え・他人の萎えは自分の萌えを地で行っている様が良い。
公爵さまの萌えがたらふく詰まったマリエル当てゲーム、まあ普通に雰囲気で分かるでしょとは思っていましたが。まさかまさかの骨格バレにしこたま笑った。シメオンさまちょっと面白すぎるのよ。それに対してマリエルが静かにキレてるのも可愛かったです。
それと彼女ってちゃんと淑女ですのね!?鏡の迷宮でスカートの中身ばっさばさした時に騒いでたの、意外なものを見た…という気持ちになっちゃって。羞恥心あったんだ。目的のためにはなりふり構わない印象がありました。
ナイジェル卿は風貌がストライクゾーンから外れているのであまり注視していなかったんですが、マリエルとペア組んでる時の彼ってめっぽう良いですね……?お互いにあけすけだし仲良く見えるけど、当人同士にそこまで強い興味はないよーって空気感が好き。……魅力に気付くのが遅かったな!小説だと今後も彼が登場しますの……?しますよね?……そう……(決意したなにか)。

格闘での物理対決であの展開に持ってくの凄くない!?骨格が天井だと思っていたのに、筋肉にも山ほど笑ってしまった。シリアスな事やってたはずなのにギャグになってるのが毎度上手すぎるんだよ……!マリエルの合いの手好き。それとアーサーくんが強いのいいよね。カッコいい。
この辺りで公爵さまの言動に「おや…?」と引っかかりを覚え始め。まだ輪郭はハッキリしていないんだけど、これは意地悪じゃなくて意味がある事なんだな、って。前巻で言いましたが、私は公爵さまの事をデスゲームの主催者だと思っていたので……。戯れも過度に続くと興醒めしてしまうものですが、そうじゃないぞと知らせてくれる役割になっていて深く興味をそそられました。

>弱みを教えてくださらない?」のとこにウワー!!ってなった!!!!公爵さまの奥さまが一枚岩なわけないのよ!!
そしてこのシーンでマリエルって男女のあーだこーだとかを収集しまくってる事を思い出したわけだけども。いやこれ、マリエル=小説作家の方程式を知っていたとしても、相当に趣味が悪い行為だよね『噂話の収集』って。そこを読者に再確認させてくれる良いシーンだと思った。そしてその手札をちゃんと引っ込めたマリエルがえらい!胸に秘めてネタにしている内は、「お行儀が悪いね♥」で済ませられるもの。

私はねえ、シメオンさまがマリエルの事を滅茶苦茶に好きで、だからこそ大事に大事にしている様が大好きなんだよ。だから「>こんな子供に手を出したら犯罪だと何度も己に」のセリフがまーーーーーーほんとーーーに心に染みましたね……。好感度が天元突破してしまう……。前回はよく耐えた、よく頑張ったよ。

>殿下とマリエル、兄妹感がどんどん増してきて可愛いんだなぁ……。側近の婚約者という関係性にしては構われすぎなんだけど―
以前わたしが申し上げた第三者目線の感情を、作中の人物が同じような事を思っているとはねえ!!してやられた。行動としては突飛だけど、今回の事を催すのは納得も納得です。殿下、割とまあまあお歳を召してきているので婚約者問題は憂うところではあると思うし。私たち読者はジュリエンヌの事を知っているけど、公爵さまたちは知らない事だもんね。先に記した通り、公爵さまがシメオンさまを見てるなっていうのは筋肉のところで提示されていて。そこからこの流れになるのがホント~~~~にお見事!!デスゲームの主催者じゃなかった。


この作品、ダブルミーニングが随所に散りばめられているのがすごいなあと思っています。今回は奥様の

「無理に進めても王妃様や殿下の」「人の心には添えないわ」「諦めるしかありません」

ここがマリエル達だけじゃなくてリュタンにめっちゃかかって来るのがグッと来ました。演出が分かりやすいのも良い……。フキダシ配置での文章の切り方も良い……。「王妃様や殿下の心には添えない」って言えばいいのに「人の心には添えない」ってなってるのが演出的セリフではあるけど効く。

さて。リュタンに対してすごい複雑な心境を持っている私ですが。応援は出来ないけどその恋心を否定もしたくないっていう!!でもでも諦めてくれよと思うし、「またね!」ってするマリエルはほんっっっっっっとにまーーーー!!鈍感系ヒロインじゃないだけにマリエルの言葉に「お前ー!!」ってちょっとなるんだけど、男と女の関係性を恋愛だけで括っていないからこそ出てるからね……。そこが良くも悪くも『お花』で『水草』にぶっ刺さっているんでしょう。
>僕が見つめているうちに…」のコマ運びが天才すぎて震える。一時でも、ほんの一瞬でも、何かが違っていたら―、っていう暗喩がお見事……!マリエルの「>私をちゃんと みていてくださいね…」の一言にも胸が苦しくなってしまう。分かってんのよマリエルは!自分の足元が確かでない事が分かってんの!それでもシメオンさまの全部が大好きっていうのがなぁ!!主人公カップルの愛の深さを補強するいい当て馬だよリュタンは……。マリエル以外と報われてくれんか?ダメか?ダメかぁー……。


そしてフィナーレとなる結婚式!まさかまさかの眼鏡交換!!それは思いつかなかった!!作者さま、本当に分かっていらっしゃる……! 眼鏡カップルである事の稀有性、そしてその重要性。指輪がある状態でコレをやられてもギャグでしかないんだけど、指輪がない状態だからこそクスッと笑えて微笑ましくなる。すごいなあ。二次元媒体での結婚式シーンでいっとう印象深いものになったもの!私はただの読者だけど、マリエルとシメオンさまの結婚式の事は一生忘れないと思う。それくらいに良かった。

ストーリーもキャラクターも作画も演出も、全部が全部大好きな漫画でした。その温度感のまま、全9巻で完結してくれて更に好きになってしまったよ。漫画を何回でも読み直そう。そして原作も読むぞ!!殿下とジュリエンヌの恋の行方が気になるし、結婚式会場でオレリア様に視線飛ばしてたお兄ちゃんの事も気になるのよあたしゃ……。……ああーーーでもリュタンのちょっかいのかけ方によってはイラついて脱落してしまうかも~!ほどほどにしてたもれ~!マリエルとシメオンさまに幸あれー!


20240924134606-motiri.jpgマリエル・クララックの婚約 9巻
(コミック:アラスカぱん / 原作:桃春花)

#マリエルクララックの婚約 #ZERO_SUM

編集

No.
166
悪役令嬢の矜持 2巻

ウェルミィを愛でる会が開催されててちょっと笑っちゃった。自分が悪態をついていた相手に、あれだけ称賛の言葉をかけられるとはそりゃあ気恥ずかしかろうな……。
エイデスとウェルミィが一目見ただけでお互いに惹かれていたという点、初見では「都合のいい展開だなぁ…」と感じました。が、再度読み直した時には一転、腑に落ちた感じがあって。「優秀な遺伝子を持つ人間を伴侶としたい」という原始的な欲を二人から読み取れたというか。……なんだろうな……『生き物としての本能』とでもいうか……。子孫を残そうと思ったら強い相手と結婚した方が生存の可能性が高まるじゃん。アレ。なのでお似合いな二人だなぁと今では思っています。ウェルミィが可愛くて仕方がないっていうエイデスの態度もね、彼女を見てると分かるもの……!理想的なツンツンツンデレだなぁミィは。


今からネガティブ寄りな感想というか分析に入ります!ある意味で心を奪われてしまったのだ……。

なーーーんかレオ(皇太子殿下)の事が格好いいとは思えなくて!とてつもなく好みの顔面をしているのに、持っている感情は『負』の面が大きくて。…負……?いや、負じゃなくて『無』。でも顔は凄く好きで。大事な事なので2回言いました!自分の感情があまりにも謎なので、その引っかかりを紐解かせて下さい。

そもそもとして1巻はウェルミィ目線でレオの事を見ていて、彼女は彼の事を『臆病者』と評していた。だからその感情につられるは、まぁ当然と言えば当然。ミィのフィルターを通しての彼しか知らなかった。しかし2巻になってレオ目線の話が語られた時、モヤッとした気持ちが増幅されてしまったのよね。
でもでも、元来の私は「自分の全てをもってして好きな人を守る」っていう生き方とシチュエーションが大好きであり。生まれと環境によるものすらも手持ちのカードとして利用するしたたかな人間は好きなはずなんです。レオもそれをやっているはずなんだけどなぁ、『いいね!』ポイントが溜まっていかなかった。
あ!でも護衛や父王とモメつつもイオーラにご飯を食べさせる環境を作ったのは「頑張ったね…!」ってなった!一個人への贔屓が最悪すぎて最高なんだよな。分かりますかね?この最悪で最高っていう感情。分かってくれると嬉しい。

………あ~~~~~。ファーストインプレッション(ウェルミィ目線)からセカンドインプレッション(レオ目線語り)におけるまで、彼の印象が悪い大きな要素分かったかもしれん……。
「自身の身分を偽った上で、常時周りを品定めしてる」からだ!いや、仕方がないのだけれども!身分差によるアレコレを体験するのは滅茶苦茶に大切な経験になると思う。先々の宝になるのであろうこの慣習自体を否定したくはないんだけど、外野から見ていて気分は良くないのよ。多分ね、私は『気が付かない側』の人間だと思うから。試し行動のような事をされると、信頼度が一気に下がってしまう。

イオーラを救う主役の座は譲ろう

あーーーーーーッ!あーーーーー!この発言もアレだ……アレ……。自分が彼女にとってのヒーローだと信じてやまない、上から目線に聞こえる!ああーーーなるほど……なるほどな……これもだ……。滅茶苦茶好みの顔面をしているレオを愛でられない理由の全てがこのセリフに詰まっている気がする。
でもこれ、自分にブーメラン投げてる要素でもあって。漫画の感想で自創作の話をするのはお恥ずかしい限りなんですが、己が主人公がこのマインド持ってるんですよね初期段階……。ああ……あー……なんかそういう……ブーメランが痛いからレオの事あんま見てられないのか……?そうかも……。ごめん……。一周回って君の事すごい好きかも……。

しっくりこないものの分析をしていたら背中から刺された気分です。言語化っていうのは怖いな、さまざまなものをつまびらかにする。それに、レオの事がまるっと好きな人がこの文章を読んだたらそれこそモニョっとすると思うから、その点に関しても後ろめたさのようなものがあります。いやしかし、イオーラがこれ読んだら「そういう不器用に見えるところも全部可愛いんですよ」って言ってくれそうな気がする。感情の棚卸をした今では私もそれに少しだけ共感出来るけど、作中の人たちが言っている「レオは周りに対して公平」っていう言葉だけはどうしても理解出来ないんだよなぁ。数々の品定めをした上で、好きな子への贔屓を行っているので……。そこのところ、イオーラ目線から見るレオで新しい景色が見えるのかな。そう思うと次巻も楽しみだ。


私がこの漫画に求めているのって、ウェルミィとイオーラの触れあいなんだなぁというのが良く分かった2巻でした。イオーラお姉ちゃんめっちゃ可愛い儚くて強くて好き。加えて、話の筋自体はそこそこ好きって温度感で、キャラクターの感情の描き方に一番惹かれているんだなぁとも。好きな感じの絵で好きな演出をしてくれる漫画、ありがたいねぇ。


20240923141819-motiri.jpg悪役令嬢の矜持 2巻
(コミック:星樹スズカ  / 原作:メアリー=ドゥ、久賀フーナ)

#悪役令嬢の矜持 #ガンガンコミックスUP

編集

この場所について

読んだ本の感想を話すところ。
感情でものを言う傾向があります。

ネタバレ注意!


キャラの生死、思わぬキャラの登場等はぼかしたり隠したりしていますが、基本的には配慮していません。

デザインの着せ替えが出来ます。お好みの背景色でご利用下さい。

ダークモード
デフォルトモード

最近の投稿

複合検索

  • 投稿者名:
  • 投稿年月:
  • #タグ:
  • カテゴリ:
  • 出力順序:

カテゴリ

ハッシュタグ