先頭固定

No.
111
はじめに

ネタバレへの配慮をしていません。
詳しくは「この場所について」をご参照下さい。

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2026年1月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

No.
208
十角館の殺人

孤島での連続殺人というクローズドサークルの全ての祖、『そして誰もいなくなった』のフォーマットに則られた作品である本作。去年末に地上波再放送があった事により再熱された評判を小耳に挟み、手に取りました。

〝 映像化不可と言われた── 〟

気になるじゃないですかこんなこと言われたらさ〜!現代が舞台の人死が起こる作品にめっぽう弱くなっているワタクシですが、今回は興味の方が勝りました。
そんなこんなで1日で読破した感想です。いくら昔の作品といえど、ミステリーの話題をおっ広げにする程ノンデリではないので隠します。



小説においてページめくりの概念を意識した事がなかったんですが、これ、漫画と同様にめくり演出大事ですね!?!?まずそこ!!まずこれ!!

「ヴァン・ダインです」

感情のボルテージ最高潮でしたわ…………。これには驚き……これには納得……そりゃあ「映像化どうするの!?」としか言えない……。騙されました……普通に騙されました……ブラボー……。

クローズドサークルでの殺人ゲームといえば私にとって『インシテミル』が特別好きな作品で、この『十角館の殺人』に対しても「インシテミルみたいだな〜」と思いながら淡々とページをめくっていました。いや、こっちのが先なんですけども。謎の既視感とでも言うかな……だがしかしそれがあったからこそ、数々の予定調和にそんなにも荒立たなくて助かりました。何をしたって人はたくさん死んでくんだ、いちいちショックを受けてちゃいけねえ。……だがしかしそれ故に、「最後のドンデン返し」「映像化不可」の評判を聞いていなかったら脱落していた可能性もあるっちゃあるのだけど!それくらい平熱でした。
でも途中からは、ミス研の誰が最後に立ってるかが気になってしょうがなくて!半分過ぎたあたりから休憩を忘れて読んでしまったぜ……。お気に入りのエラリイが最後まで見れて良かったです。余裕のある伊達男、すき。

殺人の動機も、皆が論じていた父親の復讐説が正解ならあんまりにも薄っぺらではと思っていたんですが、蜜月状態の恋人を失ったのなら暴走するのもさもありなんよ。一気に腑に落ちて気持ち良かったパートのひとつです。
でも、ヴァンによる『犯人達の事件簿』状態はちょっと笑っちゃった。やることが……やることが多い……!よくもまあやり切ったな……すごいよお前の復讐心はホンモノだよ。

冒頭のボトルメールも最後の最後に良い仕事してくれますね。神だけではなく人間・島田もおそらくは見透かしていたわけで、超常現象に委ねる事なく裁きは行われたんでしょうが、他人からの告発で終わらない最後だった故に後味が良かったです。や〜〜〜これ島田さんにつらつら語らせるパートあったら読後感ぜんぜん違っただろうな〜!終わり方すごい好きですホント。

不屈の名作っていうのはやっぱり面白いんだなあ。良いクローズドサークルでした!

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20260125130549-motiri.jpg十角館の殺人
(綾辻行人)

#綾辻行人 #講談社文庫 #館シリーズ

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No.
207
ハクメイとミコチ 14巻


急に話の引き出しを増やすんじゃないよォ!!!!!!!

ビックリした!!何!?なんなの!!既読の皆さんはお分かりですね、私が【第116話 かたつむり工房】の話をしていることが!帯に「>本誌掲載時に話題を呼んだ──」ってあるけど、そりゃあそうよ……これは……そうよ……。途中までミコチの百面相にニコニコしながら読んでいたのに、夜の散歩でああも急ブレーキがかかるとは思いませんでした。
眼光が鋭いネフルさん、好奇心旺盛で自分の前しか見えていない典型的なアーティストタイプだと思っていたらそうではなく。いや、まごうことなきアーティストなんだけど、天才型の。でも彼女の眼が捉えているのは世界の〝すべて〟で、それを落とし込んだ心はあまりにも騒がしくて、鋭くて、正気と狂気のはざまに居た。あそこのページ、コマ運び完璧で最高すぎやわ……。ネフルさんの慟哭が読んでいるこちらの心まで突き立てて来る。そしてふっと冷静に戻った瞬間の切ない笑顔と口をついた言葉よ……。「>儂は君が羨ましい」。それを受けたミコチの表情もなあ~!!飲み込め切れていない困惑の顔がな……切に迫ってくるのだ……。

「作ることでしか 生きていられないだけ」
「感じたことを吐き出す手段が それしかないんだって」
「そんな風に私は 服を作れない」

「私⋯⋯目標を失っちゃったみたい」


この漫画でさあ……モノ作りしてる人間を刺してくるエピソード来るとは思わないじゃんね……。不意打ちも不意打ちだったんだ……胸がきゅっとなったんだ……。好きなだけじゃ足りない、憧れだけでは掴めないものがある。それをこれでもかと見せつけてくる話で、その切なさが大好きでした。感情の魅せ方がほーーーーんと良かった!ここ最近読んだ漫画でいちばん良かった!!見開きってこういうもんだよ!!!

ヒートアップしちゃったので落ち着いて俗な話でもしましょうか。
ハクメイのお父さん、好みです。あの……目元に皺がある髪の毛長めの男……好きで……その……ドンピシャなんですよねロカパパンね……。いや、ハクミコにおける好みの男ナンバーワンは仲良し組の棟梁ナライさんだけども。
話をロカパパンに戻して。……いや別に戻しても話す事はあまりないな?ハクメイと会える日楽しみだなーってカンジ!

ジャダさん好きなので出てきて嬉しい。〝ω〟くち可愛いよね。友を励まそうとして空回りする姿もなんとも似合うぜ……。このミコチの落ち込み、そこまで尾を引かないと思っているんだけど、尾を引くとしても色んな子が代わる代わるアドバイスする展開になったらそれはそれで面白そうだなーと。センとか特にみたいな~!
しかしまあミコチを見てると「得意な事とやりたい事は違う」という事を改めて認識します。だってお店出来るくらいお料理上手だったらそれ極めたらよくない?でもミコチが好きなのは服を作ることなんだよね。趣味を仕事にしたい……みたいな欲を持っている訳ではないけれど、憧れの星に手が届かないことが分かっちゃったから、気が抜けてる今。よくよく考えてみると贅沢な悩みではある。どう折り合いをつけるんだろうな~。

ハクミコはまったりと読んでるので「次も楽しみだなー!」みたいなテンションにはならないんですが、今回は圧倒的に「次も楽しみだなー!」です。
⋯⋯っていうかよくよく見たら13巻の感想ないじゃん!ほんまにか?牛の描写すごいの話しなかったのか私。なんか書いた気でいたな……。


20260119210454-motiri.jpgハクメイとミコチ 14巻
(樫木 祐人)

#ハクメイとミコチ #ハルタ

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No.
206
キッチン

恋愛が主題になっている小説を買って読むという事がほぼありません。なぜならば同人小説で満たされているから……。私が恋愛ジャンルで重きを置くのはキャラクターであるがゆえに、知らない人たちの恋愛いざこざを小説から摂取したい欲がないのです。昔はビーズログ文庫をつまみ食いしてはいましたが!それでも読むのはファンタジージャンルだったから、現代を舞台にした恋愛小説に手を出したのは人生で初なのではないだろうか。
なんで親しみのないジャンルに手を出したかというと、『日本語表現インフォ』で言葉漁りをした時にピンとくる文章が吉本ばなな先生である率が非常に高くてですね。ゆえに「物語を楽しむ」というよりは「文体を楽しむ」ために本を開きました。

率直に言ってしまうところ「傷の舐め合い」で物語が幕を引くのか、と二人の生末をどこか遠いところから眺めていたんですが、主人公が思ってもいなかった行動を取るところでグッとストーリーが心の距離を縮めてきてビックリしました。アレはなあ、すると思ってなかった!遠距離カツ丼デリバリー。相手にあったかくて美味しいもの食べて欲しいな、って気持ちはさあ、純粋すぎる愛だと思うんだよね……。
だから「傷の舐め合い」なんて言葉はふさわしくなくて、お互いがお互いで暖を取るような温かい形で未来に繋がって良かったなーと心から思えました。前半はホント文体を観察するが主目的だったけど、起承転結の転になってからはハラハラドキドキ読み進めていたもの。
あとこの作品、空気と温度がすごく伝わってくるから好きです。寂しいは寒いし楽しいは温かい。恋愛主題小説への苦手意識はまだ残っていますが、吉本ばなな先生の作品は好きだなと思えたので別の作品にも手を伸ばそうと思います。

そして、実は表題作じゃない方、『ムーンライト・シャドウ』がめっぽう好きだったりするんだなあ!吉本ばなな先生ってアレなの?人間のやさしさに触れる話を書くのがお得意なカンジ?まだ二作品しか読んでないから断言出来ないが!
中でもこの一文がすごく好きで。

手を振ってくれて、ありがとう。何度も、何度も手を振ってくれたこと、ありがとう。

心に残したくなる文に出会えたらもうそれだけで人生の宝だから。ジェットコースターのような感情の波はなかったけれど、じわじわと染みるような熱が持てるお話でした。よかったなー……。いやほんと、「面白かった!」「良かった~!」っていう勢いじゃない、もっと静かにストンと心にふんわり落ちる感じ。滋養たっぷりってこういうことだな~。


20260119205444-motiri.jpgキッチン
(吉本ばなな)

#吉本ばなな #角川文庫

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No.
205
鹿楓堂よついろ日和 22巻

角崎さん落とせる乙女ゲームどっかに落ちてないかな……。
そんなことを思ってしまった二十二巻です。シゴデキ顔面ヨシ黒髪真ん中分け性格お茶目ってちょっと私特攻が過ぎるので……ほんとに……。別にそんなに出てこなかったんだけど、数コマ出てくるだけでカッコいいから困るんだよ角崎さんは……。シゴデキ……いい上司……。

メロってる私は投げ捨てて本編の感想をば。「>無駄な嵐は起こらないように」の願望通り、不可抗力のトラブルによるピンチという展開なので安心しました。ここで身から出た錆とかやれらたら、ちょっとこう、椿くんと佐々木さんでそれはちょっと、ってなってしまうので。この二人はそれぞれにコミュニケーション苦手人間だから幼き者を見る感じで応援してしまうんだ私は。

佐々木さんの癒しオーラというかピュアッピュアの源泉ってどこにあるんだろうな、と思ってたらなるほど、自然が豊富な大地で育ったがゆえの。天然培養であることが知れて納得みがあります。
そして憧れを追いかけて走り続けていたがゆえに見えていなかったものがある、と。
正直なところ、ゲストの心理的成長に丸々一巻を費やすとは冗長だなと感じるところもあるのですが、ゆっくりのんびりとやったからこそ椿くんの成長と鹿楓堂の器のデカさ及び安定感がしっかり描写出来、かつ次回への種まきも終わったのできれいな構成だと思いました。ただバンチ本誌で読んでたらこう思えなかったかも~!1巻をノンストップで読めたからこその味な気がする!まあ別に早急に進めて欲しいことはなにもないのだが!……あれだ、鹿楓堂とお客様系の話がひとつもなかったから、そこが物足りないのかも?なるほどですね~。

綾のアフターヌーンティー堪能しているお客様の中に鹿楓堂の常連さん交じってるのが嬉しくてほっこりしちゃった。着物のおばさまと姪の方!長期連載ならではの小ネタよ。
わたくし抹茶が得意でないがゆえに「食べたーい!」の言葉が出てこないのがなんだか悔しいですね。塩豆大福はいつでも食べたい。なんならこの漫画買った時に和菓子食べたくなったので行きつけの和菓子屋さんで大福を買った。美味しかったです。


20260119205139-motiri.jpg鹿楓堂よついろ日和 22巻
(清水ユウ)

#鹿楓堂よついろ日和 #バンチ

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2025年12月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

No.
204
VTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~ 2巻

ありがとう草村しげみ。本当にありがとう、草村。ここ最近浴びてる娯楽が濃度高すぎて疲労感が強かったので、日常系ほんわか単発ギャグ漫画に心の底から癒されました。頭を空っぽにして読める、って字面だけ見ると少し悪口なんだけど、そういう立ち位置の作品って大事だと思うの。ありがとう、いい薬です。

相変わらず草村の「女」呼びが好きすぎる、それに対するリスナーの窘めもセットで「>女呼びやめてね」。『後輩の女』→『後輩の方』→『後輩様』→『女』と好感度ジェットコースターで呼び方が2P内で変化するの大好きです。一方のぬきたちゃんは気付かないしよお!これは新手の三角関係ですね…………。

冒頭アキネーター遊び、私もつい最近遊んだので(人生で初めて)そういった意味でも面白いネタでした。魔神怖いよね……ほんま怖い……14問目くらいで作品名ドンピシャで出してきて「ヒッ!」ってなったもん……。それにしたって『団長の手刀を見逃さなかった人』まで出るの?すごいね。思い浮かべるのが逆に難しいまである。
自分の好きなキャラを探している最中で「私ですか?」って言われたら爆笑してしまうよなあ!魔神って当てた時にめっちゃ喜ぶし結構自我あるよね。なんかこう、みんなが育てた人工知能感ある。そして実際のアキネーターにもナナシノ登録されてるらしいのでやってみたんですが、14問目でアッサリ出てきて大草原でした。「VTuberに関係がありますか?」「リーゼントですか?」の流れ、こわい。

草村ママ可愛いよね~!あと草村パパ。「>学生に手を出すくらいなら首を掻き切って死ぬ」いいぞ……倫理観がしっかりしている……いいぞ……!肉食系女子と草食系男子の組み合わせが好きなので、ママも草村も私の好みの女子なんよな。最後にモノを言うのはフィジカル……!走力は全てを解決する……!

ぬきたちゃんとナナシノ会合話、一触即発の爆弾回ですーごいドキドキしながら読んじゃった!バレて欲しいけどバレて欲しくない的な……。いや、バレてしまったらこの漫画の大事なところが損なわれるので一生バレないのだが……それでもちょっと、ワクドキするやんね?
「話しかけられると『自分だけは特別かも』って思っちゃうのかも」っていう言葉、この時代で滅茶苦茶大事な学びがあるので心に据えておかないとダメだと思います。いえ、私は初めてしたコメントを読まれ、好きな配信者の“““実在”””を感じて恐怖し、スパチャでも自我を極力出さないのっぺらぼうスタイルに移行したんですが。こわい、むり、触らないで。おっと隙あらば自語りをウフフ。ともあれ、画面の向こうから話しかけられるとなんか特別感を覚えるのはすーーごい分かる!文字だけでするやり取りでもとっても嬉しいのに、声まで入ってくるとそりゃ心に染みるよねえ!

──でもそれはそれとしてな?ナナシノは特別なんだよ(真顔)。

ナナシノの鋼の精神力マジでなんなの?草村DM封鎖事件、今巻中で一番ゾッとしたし一番笑ったかもしれん。「>V側がDM凸すな」こんな事言われるVtuber実在してたら私ファンになっちゃう。
いやー、DM回でも思ったけどやっぱり草リスの治安の良さが好きだなー!「俺の負けだ」ニキ、潔くて良いです。それとナナシノが一番じゃない世界を想像して吐きそうになってる草村。

草村って基本的にナナシノ馬鹿の危ない女なんだけど、Vtuberとして真摯に頑張ってる姿もちゃんとあってすごく好きだな。モンハンライズでの他所との差別化工夫すごく素敵だなーって思ったもん。いやまあナナシノに見て貰うためのアレなんだが……。愛を原動力に己を磨けるならそれは素敵なことでしょう!

SNSをこまめに追うのは私に合わなくて消耗しちゃうので、定期でまとめのコミックスだしてくれるの本当に助かるし嬉しい!ひとつひとつのネタが濃いから一冊読み終わった時の満足感すごいし。3巻も楽しみにしてまーす!


20251226115239-motiri.jpgVTuber草村しげみ~遠くに行ってしまった気がした推しが全然遠くに行ってくれない話~ 2巻
(さかめがね)

#草村しげみ #ガンガンコミックスPixiv

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2025年11月 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する

No.
203
200m先の熱 15巻

15巻まで進んでようやく三角関係が綺麗に成立したぞ!
今まで感想を書いていなかったのに唐突に感想を書きだした理由はソレです。いや~……ようやく……そうですか……感慨深いですね……平良さん派だった人間としてはなおの事ね……。

Twitterのプロモーションで1話を読み、そのあと詳細を調べ電子書籍のサイトで1巻がまるごと無料になってる事を知り、軽い気持ちで手にとった本作。無料分で済ませる気持ちがまんまと引きずりこまれ、それでも「いつ飽きてもいいように」と既刊をまとめ買いせずに1巻ずつちまちまちまちまと買い毎日1冊ずつ読み進めていたのが2025年の夏。
少女漫画は10巻で脱落しがちな私が!10巻を超えてもなお購読し!なんなら発売日に即買って即読んでいる!それがこの【200m先の熱】です。感想枠に入れなかったのはいつ飽きるのか分からなかったのと、ただ純粋に読みたかったからです。読んだら感想書かなきゃ感が出る時、ちょっとあるので。「自分の気持ちを発信し続けたい」という欲がある以上ある程度の義務感を持つのは大事だけど、消費者としての立場100%でダラダラと漫画を楽しみたい時もあって。今年は割とそんな感じなので漫画の感想が少なくなっています。

閑話休題。1巻の引きがアレだったので、今後もえっちなことが目玉で釣ってくのかなーと思ったらそんなことは全然なく。むしろセックスが恋愛のゴールじゃなくて日常の描写になってるタイプのしっかりした漫画でした。青少年が性行為で一喜一憂してる漫画も好きだけどね、今作は登場人物みんな大人だから。なんだったら全然セックスしてなくて仕事の話ばっかりしてるから1/3くらいお仕事漫画だと思っているよ私は。和裁士とか本当に未知の世界だから見ていてほえ~っとなる!主人公の紬ちゃん自立心高くて好き。

そう、登場人物の中で主人公の紬ちゃんが一番好きで。ヒーローの二人よりも主人公の女子が好きで!価値観のバランスがすごく絶妙で、共感できるし応援したくなる。他人からの施しをホイホイと受け取るだけの女子じゃこうは思えなかったし、なによりヘキがいいよねヘキが。男性のかわいくて情けないところにキュンと来るっていうの、良い趣味してると思います。

まあ私の最初の目当ては平良さんだったんだけどー!ぽやぽや優しい系の高スペックお兄さん。ふわふわ~ってしてるのがすごくチャーミングで魅力的だった。
──⋯⋯だったのにねえ!!!!
今巻の紬ちゃんが言ってた「>ひららさんの中に強者のオスを感じた時から──」の言葉が滅茶苦茶私の心に刺さっており、「なんだかなあ」の違和感をすごく的確に言語化してくれたなあと膝を打ちました。分かるよ~分かる~あのふわふわしてる感じが良かったんだよねえ!でも仕事には真摯で、まっすぐで、わき目もふらずに走るところも。それが紬ちゃんというピースを手に入れた瞬間から歯車がちょっと狂ってきて、平良さん自身も気づいてなかった自分の本質に振り回されてこんな事になっちゃってるというか。ここ数巻の平良さんマジで束縛系彼氏だったもんな……。
でもこれ、紬ちゃんと平良さんの理想がかみ合わなかっただけで全然悪いことじゃない。手を引いて前を歩いてくれる男性が好きな女性もいっぱいいるでしょ。でも紬ちゃんは後ろじゃなくて横を歩きたかった、と。彼女の中のもやもやがしっかりと形になった巻で読者的にもスッキリでした。鹿西さんカウンセリングすごい、あの彼女がこんなにも良い役に化けるとは思わなかったぜ……。いや、ましもくんに「自分の価値を簡単に手放すな!」って怒り狂ってたあたりから大分好きだったけど。アラフォー女性読者の大体が鹿西さんのこと好きになっちゃいますよこれは(でかい主語ソーリー)

私ほんとずっと平良さん派で、当て馬役のましもくんの事は「邪魔くせえ」とまで思ってました。ごめんねましもくん、君の話が巻末にガッツリあるからそれよりも本編の話を増やして欲しかったレベルで興味が薄かった。いや、君がいい子なのは知ってるんだけど、あまりにも、あまりにも感情表現が自己完結しすぎていて……!!!もっと!!口に出して!!言って!!!
それがガッツリと実を結んで良かったね……大逆転ホームランすると思ってなかったよ私……おめでとう、おめでとう。いやまだ紬ちゃんは平良さんと別れてないんだが。まだバリバリに荒れそうだが。

平良さんとましもくんの図、“ふわふわに見せかけた俺様”が平良さんで、“俺様に見せかけたふわふわ”がましもくんだったのとんでもなく良い構造だなあと思いました。紬ちゃんの好みは一貫して“情けないところを自分にさらけ出してくれるひと”だから。
平良さんはさあ、紬ちゃんの事が大好きで大好きでだからこそ男としてかっこいいところ見せたくなっちゃったんだよね、分かる。でもそれがまるっきり逆効果なんよホント……。一方のましもくんは「もうどうにでもなーれ」で自暴自棄になってからちゃんと弱さをさらけ出せるようになった。これはなあ、気持ちのシーソー逆転しますよ……。

遅筆な私が30分で2000文字叩き出して草生える。喋りたかったんだな、彼女らの恋模様を……。なんならもうちょっと喋れる気がするがセーブしとこう。次巻も楽しみだー!


20251128131425-motiri.jpg200m先の熱 15巻
(桃森 ミヨシ)

#200m先の熱 #マーガレットコミックス

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No.
202
異世界の沙汰は社畜次第 7巻

聖女ちゃんこと白石さんの大成長に心がほんわかしますね……。BL漫画の感想なのに初手で女子の感想を言うとはこれいかに。いやだって前回部分でコンドゥさんとアレシュさまは完成しちゃってる感あったし!それにしたって白石さんマジでちゃんと聖女なんだね……神様が夢でいろいろ教えてくれるんだ……ヘェ……。本編(恋模様)に深く関係しないから詳しく言及はされないけれど、世界観がきっちりと定まっている様子を垣間見ると興味がそそられちゃいますね。
本作には全然関係ないんだけど、異世界転生するにあたって日本人ってめちゃくちゃ適正あるなと思いました。信仰心が篤い人だったら他の世界の神様の存在受け入れられなくない?目の前に顕現されたら自分の信仰が間違っていたという答え合わせになるまである。いや、現実では異世界転生は起こらないんだけどね……ついそんなことを考えてしまいました。

ノルベルトくんのお話が長々と続いてビックリした~!いや、振り返りとしてちょうど良かったしノルくんも好きだから良いっちゃ良いのですが。ただ、その、あの、巻末のヒキに合わせた尺延ばしだなとも感じてしまって……!同レーベルの特色(内部事情)を知っているがゆえの……視点が……ッ!!
ユーリウス殿下の掘り下げがここでもあって着実に株を上げていっている。「殿下の恋路に幸あれ」と前回書いていたけれど、これも無事に叶いそうで良かったなぁと。白石さんの方が劇的に恋に落ちる感じじゃなくて、じわじわ進んだ末に決め手となる出来事がある流れだったのがキュンときた。一目ぼれ系も好きだけどね、地盤固めた上で惹かれてるのもいいよね。

ここからちょっとネガなんですけども、主人公たちの恋心が完全に通じ合ったのと漫画のリズムがちょいちょい合わない感じになったので、コミックスの購入はここで一旦終わりにしようかな、と。ゆるミニキャラでの表現頻度がちょっと増えてきて、それが得意じゃない……、私にとって気持ちよく感じない漫画の技法なんですよね……。私も使う技ではあるんだけど、シリアス場面でキャラの作画を崩されると途端にスン……ってなってしまって。十全ダメなんじゃなくて、ただ私には合わないだけなのでそこだけは言い添えておきます。

カドコミでは引き続き読者として楽しませて頂きます!コンドゥさんアレシュさまおめでと~!


20251128130104-motiri.jpg異世界の沙汰は社畜次第 7巻
(コミック:采 和輝 / 原作:八月 八)

#異世界の沙汰は社畜次第 #Bs_LOG

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No.
201
烏の緑羽(再読)

どちらの肩を持つか決めたはずなのに心が揺らぐ!!!!!!

風が……風が止まない……決めたはずの方位がぐらぐらと揺れる……。そんな衝撃の再読でございます。1回目の感想はこっちです。


以前の感想で路近のことを「サイコパスってやつなのでは?」って言ってたんですけど、なんか、こう、違う、な?いや、現代で言うところの何かしらの名称を与えられる性質を持っているのはそうなんだけど。もっとずっとシンプルで、「愛を知らない悲しきモンスター」なのか彼は。いやそれにしたってそれが長束さまに仕える動機には全然ならんのだが。
……あーーーーーー、かつての自分が殻を破った瞬間を今度は他人で見たかったのか……?で、その時に何を選択するのかが見たかったのか……?いまいちこの辺り腑に落ちてないんですよね。
そもそもとして過去の私、“路近が長束さまに仕えた理由が分かった”って書いてるけど今の私は全然分からんが!?何を見ていたんだ過去の私は。いやいやいや、ちゃんと理由は文章内に記されてるんだけどね、なるほど力が低くなってるんだよな……なんでだろうな……。

 求められていることと自身の信じる美しいものとの間に、恐ろしいほどの乖離がある。今はそれに気づいていないが、彼は決して阿呆ではないから、必ず気付く時が来るだろう。
 そう思ったからこそ、路近は長束に仕えることに決めたのだと、まるで歌うように言う。
「その時、あなたが何を選択し、この山内をどうするのかが、ずっと楽しみでならなかったのです!」


ああ、引用を書き写していて“分からない”理由が分かったかも。あの過去を語ったうえでここに繋がるのが納得できないんだ。端的に言っちゃえば人の不幸や混乱を肴にして酒を飲むタイプの動きをしている事に違和感を覚えているというか。んあー、違うかーーーかつての自分が失敗した、力の行使を他人がどうするのか見たかった、……こう!?ああーそうかもーー!!あーーー感想書いててよかったーーー納得出来たーーー!!なるほどなーーー!!超絶……超絶スッキリした……。そうか、そうだよな。だからこそ『力を持つものの振る舞い』を演じることが出来るようになったんだもんな。点と点がつながりました、良かったです。

【烏の緑羽】を読んでいた当時、読みたかったのはこの話じゃないのよっていうのは本当にあって。割と後ろ向きに読んでいた事を記録としても残してあるのだけど、今回はただただ純粋に「長束さまの心を知りたい」の気持ちで物語に向き合えたので良かったです。ほぼ全てが見えた状態での再読って味わいが違いすぎて楽しい。
翠寛の話も当時より興味深かったと共に、紫苑の宮が彼からの影響をそれなりに受けていそうなことを端々から察せられ、次作の再読に胸を躍らせています。初読にこれ以上ないばかりのあんぽんたんっぷりを披露したからな【望月の烏】は……!リベンジマッチ(?)じゃい!


話はガラッと変わるんですが、長束さまのこの発言すごく良いですね。

「馬鹿を言え。地道な道こそ、一番苦しくて、一番まっとうで、だからこそ一番楽しいのではないか。それが理解出来ぬとは、お主もまだまだ子供だったのだな」

すごいな、こんなこと言える人に私はなりたい。
ずーっとずーっと長束さまのこと下に見てたんだけど(ぶっちゃけた)(世間知らずのボンボンの印象が抜けなかった)、そんな彼からこんなにも力強い発言が出てきて。だからこそ、自分の予想を遥かに超える成長と飛躍に胸がいっぱいになりました。初読の私、マジで長束さまのことを見てなかったんだなって反省……。見てるよ、今はいっぱい見てるよ!
だからこそ誰の肩を持ったらいいのか悩んでるんだよまた~~~~~!!!!!
うおーーーー!!!雪哉の肩を持つって言ったのにぃ!
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20230510143754-motiri.jpg烏の緑羽 /八咫烏シリーズ
(阿部智里)

#阿部智里 #八咫烏シリーズ

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No.
200
言語化するための小説思考

付箋を貼らずに読んでしまったことを悔やむ程度に面白かった。文章を書くことに関しての実用書をそれなりに読むんだけど、感想に落とす事はしておらず。でもこの本はここ最近の中で一番のヒットだったので、とくに好きな箇所を自分メモとして残しておこうと思います。

そもそもとして前回感想を残した実用書はいつだ、なんだ!──1年前の【ライティングの哲学 】、なるほど。そして書き出しが今回と全く同じことを言っていて笑った。同じところをくるくると回り続けている。

小説について語るけど、小説の書き方を指南するわけではないっていう切り口がひどく斬新で。ひとくちで言ってしまえばエッセイなんだけど、下手な小説ハウツー本よりも多くの学びがあったように思います。だって『小説の「勝利条件」』とか考えたことなかったもの。面白いとは何か、の構造を解き明かして要素を抽出するのってこんなにもわくわくするのか。

「勝利条件」に関して、特にハッとした内容があって。

前略 必要以上に悩む箇所の多い作品は、そもそものコンセプトや「勝利条件」の設定が間違っている場合もある


思い当たる節がありまくる……。手が止まってしまって、なんとなくで視覚と聴覚の情報を描写してしまう時がある……!いらん情報で文字数を稼いだ結果、しっくり来なくて全消しするアレ……!(そしてここで「伏線はいらない」が身体を貫く)「誰に何を届けようとしているのかの設定が不明瞭だと道に迷う」という当然の事を分かりやすく示してくれる言葉で、目の前がぱっと開けた気持ちになりました。


『文体とは何か』の項目で言われている「読みやすさ」に関しての定義も目から鱗でした。あーーーなるほどーーー“情報量の差”かぁー!!!文体って言われるとつい一人称とか三人称とか神とかそっちの方を連想しちゃうんだけど、文体ってこう、もっと広いものなんだな……というのを初めて自覚しました。(たぶんすぐ忘れるので、思い出すためにこの感想を書いています)
漫画でもそうなんだけど、「読める」っていうのめちゃ大事ですよね。すごい嫌な言い方をしちゃうけど、その最低限の土俵に上がっていない作品なんて山のようにあるもの。視点と時間がコントロールされていない作品は読めない、演出以前の話で頭に入ってこない。
こと小説においての最低ラインはきっと「作者と読者の情報量をそろえること」なんだろうなあ。言葉で言うと簡単だけど、実際にやるのはとんでもなく難しいな……だって私は私だから……純粋な意味での“読者”にはなれないから……。
これを承知した上で小林先生は「小説はコミュニケーションである」って言っているんだから、本に書いてあること全てが腑に落ちて鱗が落ちまくりですわ。ぽろぽろぞ。
ついつい文章術の方に向いた感想を書いてしまったのだけど、この本が示しているのはまさに「小説思考」で、日常から作品を抽出するための視点を育てるためのアイデアが贅沢に書かれていました。視点と感性の養い方の本だこれは。

いやホントなんで付箋貼らずに読んでたんだろうか……。取りこぼしてるウロコいっぱいあると思うのですぐ拾いに行きます。


20251124143328-motiri.jpg言語化するための小説思考
(小川 哲)

#自己啓発

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この場所について

読んだ本の感想を話すところ。
感情でものを言う傾向があります。

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キャラの生死、思わぬキャラの登場等はぼかしたり隠したりしていますが、基本的には配慮していません。

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