【2022】10月・11月に読んだ漫画感想

スタバでラテを飲みながらスマホを無意味に弄る時間がとても好きです。最高に贅沢してる~って感じ!あと先日青森に行った際に、秋の砂浜で海を見ながらコーヒーを飲むっていう事をしたんですが、こちらも幸せを感じる時間でした。美味しい物を飲み食いしながら刹那的な快楽に身を委ねたり、はたまた無生産にぼーっとする時間が好きみたい。生産性のない行為に対してつい自罰的になりがちだけど、ぼーっとしたりダラダラしたりするの大事だよなあ。息を抜くって実際難しい。意識していこう。

ハンターハンター再開やったーーーー!!!!!

と、大喜びの舞を踊っているんですが、割と雰囲気で読んでいる所があるので当作品は感想を書きません。あと正直あれなんよ……蟻編を経て信仰対象みたいになってしまったんだ……。一段階上のステージにある漫画っていうか……。信仰を口にするの、難しくない?それとずっと言っている事なのだけれど、私は特別大事なものは誰にも言わずに心の奥底にしまい込むクセがあるので、ハンターはその枠に入っているんだと思います。好きの形を説明したら好きの底が見えてしまう気がする。あと純粋に好きすぎて言う事が気持ち悪くなる自信がある。…………ソレダ!

余談が長くなりましたが先月、今月の感想文です。見所は自我が出まくっているアレですね……言及するか正直迷ったぞ。私の事嫌いにならないで。そして今月は37,000文字喋っている事が判明したので、来月のお喋りは控えめにしようと思います。いっぱい喋ったなァ……。

書影使いたかっただけですが、リンク先は楽天のアフィリエイトです。

ラーメン赤猫 1

インディーズ連載枠から通常連載枠への昇格おめでとうございます!それほどまでに人気だとは……思っていたけれど!😊ラーメン赤猫について初めて触れた記事はこっち(日常話メガ盛り一丁!

ラーメン赤猫の面々、それぞれにフォルムも顔立ちも違って絵だけで個性を出しているのが凄いなあと改めて感じました。デフォルメが強い絵柄だと画力の高さがなりを潜めがちなんですが、アンギャマン先生もその類でめっちゃくちゃに画力が高い方だと思っています。動物をここまで描き分けられて、たまにリアルに”猫”してる表情が出てるのが凄い。

動物×食べ物の組み合わせってほっこり系日常漫画に舵を切る事が多い印象なんですが、今作はほっこりというよりはキッチリと「仕事漫画」している面が強くてそこが気に入っています。新しい職場で心機一転頑張ろう!となっている社さん目線だからそう感じるのかな?猫の事に感想がいきがちですが、社さんの仕事にかける一生懸命さも青さと爽やかさがあって好ましく思っている点のひとつです。お話が彼女視点で進んでなければここまで好きな漫画にはならなかっただろうな、とも。通常連載枠になってから社さん目線でお話が進行しない回が続いたのですが、そのお話はいつもより心に響かなくて。どの視点でお話を見るかがこれほど重要だとは思わなかったので、自分自身にびっくりしました。

赤猫メンツの推しはサブちゃんです。佐々木さんと迷うけど!黒猫のおめめがクリッとマルッとなってる感じが凄く好き~~!あとヘソ天ブラッシングね……\ おああ~~ /

 

僕のヒーローアカデミア 36

感想を言いますわよ! 前巻の感想で「>着地の仕方によっては次巻ノ―言及かもしれません」と申し上げました。感想を言うという事はニッコリしているという事です。

15年早く爆豪勝己に会っていたら危なかった。(夢的な意味で)

なんじゃこいつ……多面体が過ぎるんよ……。いじめっ子勝己から始まって、ピーチ姫勝己やって、負け犬勝己もやって、文化祭とかでなんでも出来るスパダリ勝己もやって、更にここ最近は素直勝己でしょ……。いや凄い……。誰かにとっての良い人は、誰かにとっての悪い人だ。みたいに裏表を語るだけじゃなくて、見せる面があまりにも多すぎる。そりゃあ人気投票第一位にもなるわな……。
ずっと後ろに居たと”思いたがっていた”出久くんが自分の隣に居た事にちゃんと気づいて、更にそこから追い抜かれた事もしっかり認めて、その過程を一からずっと見ていただけに「>なァ出久 俺まだ おまえに追いつけるかな」の言葉がグッと心に沁みて、涙腺が緩みました。そこからの、「>サイン欲しかったんだよなァ」発言と年相応の緩い笑みでトドメを刺され……ほんっとこの子はさあ!!めちゃ器用なのに感情だけ不器用なん!そういうとこずるい。これで退場だと思えないのが、数々の娯楽に触れて来た大人のメタ読みで少し自分にゲンコツしたいのだけど、結果がどちらにせよ出久への大きな爆弾となるのでそこの描写を楽しみにしています。……サスケくん(NARUTO)がVSハク戦で死んだ時はガチ泣き出来たのにな……大人って汚れてるわね……。

轟くんVS荼毘編は思ったよりも早い決着でビックリしました。正直コミックス1巻分持っていくと思っていた。アニメ5期分までは先に映像で見ていたので実感が薄かったのですが、こういうサブキャラ同士のバトルカードを速やかに片づけてくれると読みやすくていいですね。感情の連続性を保てるというか。
轟くんが荼毘を越える火力で奴を倒していたら、この二人のカードに一切触れる事無く感想を書いていたと思います。なんかこう……それってなんか……いや…なのよ……!相手が1000の力をぶつけて来るなら、俺は2000の力で立ち向かうぜ!!っていうカタルシスをヒロアカには求めていない。皆が夢えがく、それぞれのヒーローになって欲しい。だから轟くんが炎の力ではなく氷の力を以って荼毘を制したことに、凄く満足感があります。荼毘の煽りをちゃんと受けた上で流してるのも格好良かったな……。荼毘が世の中や轟くんにぶつけてる感情って100%ただの八つ当たりで(ぶつけるべき相手は父親)、轟くんがそれに対して自責することなく「俺たちにぶつけろ」と ”家族の問題” として解決しようという態度を貫く所が良かったです。メンタルよわよわだったら俺の所為だってなっちゃうヤツだよこれは。強くなったね轟くん……。A組は誰も置いていかない。

その一方で、

轟炎司の”乗り越えてなさ”が最高過ぎる~~~~!!!

轟くんは兄の問題をしっかりと乗り越えている事を証明したわけですが、彼らの決着がついてもなお心の霧が晴れない轟炎司が美しすぎる……。「>俺を見ていてくれ」っていう言葉には ”今とは変わる” という意図が含まれていると思っています。そしてその上で出した結論は「>生まれ変わろうなんて考えるな」。変わる事だけが強さじゃないし、乗り越える事だけが全てではない。止まない雨だってある。自責の念に駆られながら一生いきていく事がこれでもかと語られていて、とても良かったです。いや~~~~~~エンデヴァーのエピソードめちゃくちゃ良かったなーーー!!着地点がほんとうに満足です。荼毘を乗り越えてたら多分そっぽ向いてたわ……。

あとは修学旅行に行きたかった3年生とか、耳郎ちゃんの勇気を振り絞る所とか、AFOの煽りとかが好きです。……ほら…基本ヴィラン側だから……清々しい悪役はそれでいて好きなので……。「>学生気分の延長で来てしまったんだね」っていう煽り好き。それな。そしてそれに対する耳郎ちゃんの啖呵な……好き……。
アレコレ語りましたが一番好きなページは弔くんの所です。

「> 僕ちゃんと友だちいるもん!!」

あ~~~~~~~!!モンちゃんもそうだねえ~~~~~~~~~~~~~!!😭😭😭
転弧くんがまだおるんや……ってビックリしてしまった……。出久くんの弔くんまで救いたい精神、作中ですら賛否ありますがこれなら希望の芽が見えたのでは……?とはいえまずはトガちゃんからか!!次巻も楽しみです。

 

ボールルームへようこそ(12)

終盤の展開「う、うわぁ……」って声もれちゃった……。鎌倉の雰囲気と蔵内くん達のいい空気感をたっぷり時間をかけて描いた後に見せられる悪意のねっとり感がたまらん……。私はたたらくん目線で物語を追っていたから、兵藤花岡ペアが周囲から向けられている感情にとんと気付かず。今こうやってハッキリと開示された事で、序盤を読み返したくなっています。親の七光り問題、兵藤くんだけじゃなくて蔵内くんも背負ってるからこの先運命が交差するんだろうか……。それにしてもガジュ達は大分特異な子たちだったのでは?兵藤くんにこういう感情向けてなかったでしょ確か。

初期は競技としてのダンスの魅力を情熱的に描いていたけれど、ここ最近の展開では”人生の一部がダンス”という人たちが沢山登場して、好きとか嫌いとかそういう感情ではくくれない部分も語られている。そのじっとり感、たたらとダンスの距離感がどんどん詰まっていく風に感じられて凄くいいなぁって。そんな中だからこそ、真っ直ぐなちーちゃんが清涼剤になって安らぎを感じる。感情に含む所が何もなくてストレートなちーちゃん、好き。

 

乙女ゲー転送、俺がヒロインで救世主!? 5巻

まさか5巻で終わるとは思わなくて、5巻が最終ってお話を聞いた時に凄い喪失感がありました……。いやなんかずっと続く感があった……。Amazonのレビュー数もそこそこあったし、まだまだ続くだろうな、と。ただ5巻の内容的には完全無欠の円満ENDなんですよ!!!!!!!打ち切りなのか円満終了なのか察する事は出来ないけれど、どちらにせよ完璧なエンディングでした。いや凄いわ……1巻1話のお試しを読んで面白さを感じた人は買って損がない作品だと声高々に言いたい。ずっと1話のテンションのまま面白いぞ、と。

さて本題ですが。前巻の終わりで登場した本作ヒロインことユウリちゃん。おもしれー女がすぎるんだよなあ!?いやでも大分納得感ある。逆ハーレムエンドがあるような女、面白くないわけがない。タロウが攻略されかけるのが微笑ましくて可愛いんですが、デューもさぁ!!デューが!!そう!デューも頬染めしてるの!!!ありがとうございますありがとうございます!!ユウリちゃんやるじゃん……あの会話から無自覚ボディタッチするの自然すぎてなんの不満も文句もねェよ……世界よこれがヒロインだ。そしてそこからの流れが最高of最高で「いつもの!」感に安心しつつ、作画さんの作画力が爆発しててフィルが妖怪のようで笑いました。作中一のヤバイ表情だったのでは??椅子をうまいこと使ったアングルが好きすぎる……。

ユウリちゃん、人畜無害ヒロインに見えつつもちゃんと欲があるというか「指輪を奪い取る」の選択肢で黒いオーラ出してるの私好みで大変に滾りました。こういう負の面があるキャラ大好きやねん……。同居している叔母との折り合いが悪い件も、ゲーム本編をやるとその影を少しチラつかせるのかなーと思ったり。そして女子キャラの登場は ”諸刃の刃” と妹のリコちゃん登場時にも申し上げましたが、本作ヒロインのユウリは「まあ本作ヒロインだからな…」という点でイケメンとのスキンシップに目くじらを立てずに済みました。男子の中に女子を放り込む事について再三苦言に似た事を申し上げておりますが、そこは私として譲れないポイントなんです。……だって嫌やん……男子校のはちゃめちゃ日常話が好きで眺めてたのに、特例の女子が転校してくるとか!普通に考えたらエッってなるじゃん!?サラダバーにいきなりサーモン出てきたらびっくりするじゃん!サーモン美味しいけどビックリするじゃん……?そんな感じで原作さんの ”女子キャラの調理の仕方” が私のような厄介客もちゃんと見据えた手の入れ方で非常に好感を持っています。出し方が上手いのよ~~!!シスカといいリコちゃんといいユウリちゃんといい、準レギュラー女子が全員かわいいもん。愛い。

ウルトラ大団円エンディングにただただ度肝を抜かれ「そう来る~~!?!?」と膝を叩きました。原作さんは天才が過ぎる。感想でずっと原作さんは漫画がウメェ漫画がウメェと繰り返し言っていましたが、ウメェ所のお話じゃないですね……。このセンスを持つ人は中々いないと思う、天才……。だってこの結末は本当に1mmも想像していなかったので……。予想外もいいとこ!!(いい意味で)
ドタバタ元気系のエンディングの中、シスカのエピソードを挟む事によってちょっぴりシリアスなハッピーエンドを匂わせてるのも凄く好きです。それとコミックスのオマケが豪華!!タロウの本名やらデューとフィルの因縁設定とか盛りだくさんで嬉しかったなあ。織田信長編も見たい……見た過ぎる……。「乙女ゲー転送、俺がヒロインで救世主!?おかわり!」とか続編いけると思うんですよ……見たい……。
ともあれ ”好きな漫画” が “凄く凄く好きな漫画” になる終わり方だったので、それなりに満足しています。続きを読みたいので大満足って言うのは無理!原作さん、作画さんの味が上手く噛み合っていて素敵な作品でした。またこのお二人の作品を拝見したいなー!

 

多聞くん今どっち!? 3

引き続きセンター争奪戦の3巻。ジメ原くんがヘラる ⇒ うたげちゃんが一歩引いた立場で影ながら応援する ⇒ 現場にいるうたげちゃんを見つけた多聞くんがメッチャ頑張る ⇒ うたげちゃんは最高パフォーマンスの多聞くんを見られて𝓗𝓪𝓹𝓹𝔂……、の繰り返しパターンに入ってしまったか…?と途中までは思っていました。それだったらもう4巻はいいかな……、と。そう、思っていたら……、

ジメ原くんの病み方がヤバイ方にいってるゥ………。

今までカジュアルに病んでたので、ジメ原くんにそこまでのメンヘラ臭を感じていませんでした。ところがどっこい!!!今回のこの病み方……ガチじゃん……びっくりじゃん……。

電子書籍だとスクショ引用が出来るから便利ですね。発言がストレートに独占欲出し過ぎなんよ!!!!!これにはうたげちゃんもドン引き。最後の方でガンガンとイケ原スイッチ多用して来ますが、「あ、甘ェーーー!!」っていうより「こ、こわぁ……」なんだよ感想が……。夢小説みたいなシチュだな…と思っていた漫画で、こんなじっとりとした恐怖を味わう事になるとは思ってもみなかった。ちょっとこの話が衝撃的すぎて桜利くんの話とか全然できへん。ほっぺについてるクリーム舐めとりちゅーとか多聞くんの暴走が過ぎる。ジメ原さんはイケ原くんスイッチの入れ方がヘタっていうか、これある種の逃げだよなぁ。アイドル多聞くんがうたげちゃんを転がしてるだけでジメ原さんは奮起していない。夏祭りの方はジメ原くんが一生懸命頑張っていたので素直にキュンと来ていたのに。1巻の時点で無意識的両想い感があった二人が予想外の方向で拗れていくの、ワクワクとヒヤヒヤの感情に挟まれてて ヴァー! って奇声を上げたくなってしまう。どうなるんだ。

14話、よくよく見返したら扉絵もむっちゃいいな………唇のゆがみ方が最高すぎる……。……―ハッ!!あかんあかん!14話以外の事を言おうと思って読み返したのに、結局14話に帰ってきてる!!もうだめだ……病んでるジメ原くんが衝撃的過ぎた。コミックスの最後に配置されている話のパンチ力、本当に重要ですね。4巻も楽しみです。

 

わたしの幸せな結婚 4巻

美世ちゃんは穏やかで温かな光の中に居るよりも、仄暗い所で一筋の光を手探りで見つけて照らされる方が美しいな……と思ってしまっている私がいる。一生灰被りで居てくれ、って暗に言っているような物なので、随分と心無い感想を持つな…と自分に若干引いています。だって4巻の美世ちゃん、日に日に衰弱していく中でも懸命に生きようとしているのが健気で可愛い。香耶ちゃんの呪いが色濃く残っているのもいいなぁ……3巻で決着したと思っていたんだけども。長い間ねちねちされてた呪いが一瞬で解けるわけないわな。

最初の状態に逆戻りしている事にイライラを募らせる人も居るんだろうなぁと思いますが、それが美世ちゃん自身の心の問題じゃなくて、純粋に睡眠不足の過労から心が弱くなっているっていうのが良いポイントだと思います。寝なければ心も弱っちゃうよーーー当たり前体操!とはいえ彼女と旦那さまのすれ違いうじうじで話が特に進まなかったのはちょっとご不満です。次の巻で薄刃関係の決着が付くのかな?特に言う事が無かったら次巻は購入してもノー感想かもしれません。4巻はな……不健康美世ちゃんになんか心を奪われてしまってな……それだけ言いたくて……。

あっ!ちょっとだけ悪口言わせて頂いて宜しい!?!?言うわね!!実写映画になる事自体は不満も何もないんだけど、美世ちゃんの髪の毛に茶色味がかった色が指してるのが凄い不満です!!美世ちゃんの髪は濡羽色であって欲しかったんだ……。……えっ、アニメ?アニメ、アニメはねえ……未亡人オーラがパなくてちょっと美世ちゃんとして見られないかなって……。原作にもコミックにも絵柄を寄せないアニメ、勇気がある。

 

信長のシェフ 33

も、も、も、望月さーーーーーん!!!!!!!!!
正直そんな事だろうと思った!思いました!!!望月さんに会った所で何も解決しないとは思っていた!ただちょっと、あまりにも、あまりにも酷だな……って。歴史の知識が全然ない望月さんは何も悪くないんだ……。ケンが勝手に仮説を立てて、勝手に探し回っていただけで。そもケンの仮説だけなら瑤子さんに手伝って貰えばよくない?いやまあ漫画として中期目標がないとダレちゃうから、望月さんが体よく槍玉に上がっただけっていうのはずっと感じていましたが。……それでも「>あははは ごめん 分かんない」は私ども読者も気持ちのやり所がなくてですねぇ!!!ウゴー!!やり場のない気持ちでゴリラになっちゃう!!

木乃伊の話は久々にトンチが効いていて面白かったです。知らない物を証明しろっていうのは無茶苦茶だからなあ。海魚と川魚の骨の形以来のトンチバトルだったのでは。津田さんは基本的にケンに甘々で好き。それにしても夏さんの懐が広すぎる……。半年の間生死不明で、突然帰って来たと思ったらすぐ出かける亭主とか勘弁して欲しいぞ!あと今巻で一番好きなのは、ケンに行かないで~って縋りついて大泣きしている井上さんです。最後まで元気でおって。も~~30巻も越えると登場人物ほぼ全員に感情移入しちゃうんだよな……本能寺やめて……ノー本能寺……。

光秀の目が死んでないの、やめて欲しい(言及ノルマ達成)

やだよぉ……本能寺する算段が付いたから光秀の目が生き生きしてるよぉ……やめてよぉ……。

 

私のジャンルに「神」がいます3

2巻の薄味を経て原点に帰ってきた感じが好き!そう、こういうなんとも言えない感情を求めていたんだよ私は……!2巻は登場人物にフォーカスを当てていない ”同人あるある” 漫画が多かったけれど、3巻は七瀬や相川さんというクセ強同人女の ”キャラそのもの” に焦点があたっている気がする。登場人物の心の機微に賛否ありそうなラインなのも良い。全部のお話がそれぞれに好きです。

同人女、嵐の海をゆく』七瀬が大規模ジャンルのドマイナーカップリングにハマるお話。大勢の中で孤独になってしまうって辛いよなぁって思いながら読みました。個人サイトみたいにそれぞれが孤島に住んでいる静けさとは違って、横を見たら常時パーティしてる団体がいるのに自分はひとりなわけじゃん。自分が選んでそうした事とは言え、意識しないのは無理だよなぁって思うので、七瀬の感情の動きがリアルで共感出来ました。おけパの「>ここまで頑張ったならもうやめてもいいんじゃないですか?」も実際真理だと思う。趣味やねん。好きに始めて好きに止めて好きに再開したらええ。でもね~~~~~~そう簡単に手放せたら苦しまないのよね~~~~!!苦しいけどそれを手放せない事に七瀬が気づいて、頑張って、ちゃんと報われるのが良かったです。まあ現実では報われない事も多いからそれもまたひとつの『感情』に発展するんですが。

七瀬、綾城さんに心の比重を割きすぎてちょっとモヤッとする時もあるんですが『同人女、愛を告げる 後編』で「>綾城さんとお近付きになりたいとか 中島さんに勝ちたいとか」っていう直視し辛い自分の欲望をちゃんと自覚するのがエライよね、って。正直『同人女、嵐の海をゆく』単体だけで見るとオチを好ましく見れなくて。特別な人に見染められた、ハッピー!っていうの、気持ちは痛い程分かるし自分が七瀬の立場だと同じ反応になるだろうなとも予想出来る。でも自分は ”特別な人” ではないから、自分が相手に好意を伝えた時にその他大勢の有象無象扱いになってるのかな……っていう少しの寂しさと苛立ちというかな……そういうのを感じてしまって。でも七瀬にとって綾城さんは 神 なんだもんなあ。それをここまでハッキリ見せつけられると、神に振り向いて貰えてよかったねぇ…ってなりました。自分の欲に忠実で、それでいて己を省みれる人が私は好きなので。
「好き」の感情の中で更に格付けをするのって滅茶苦茶不毛だと分かっている。だからといって、本当に横一列に並べる事が出来ているのか自分に問うた所で「無理!!!!」と即答出来る。だから七瀬にモヤる事自体がダブスタなんだよな~~~苦しいな~~自分の醜い心が表層に浮かぶの~!まあ灰汁も旨味になるから……。

自分の欲に忠実な人が好き、という事もあってか『いいねが欲しい同人女』のいいね集め、私は別にええやん?と思っている立場です。承認欲求を満たすために夢小説を書いているおじさんの実話を読んだ時、win-winのハッピーサイクル回してるやん……って思った程なので。

そりゃパクりのラインまでいったらダメだよ!アカンよ!でもぽぴ郎さんって数字の動きを分析&試行&改善して動きまくってるじゃん!「いいねが欲しい」という自分の欲を満たすためにバリバリ動いてる訳じゃん……。二次創作をダシにしているっていう点は確かにあるんだけど……。あと他人を利用してるのもちょっとアカンけど、大手さんを不快な気持ちにさせている訳ではないからな……。何もしないで評価を得たいってわがままを言って周りに当たり散らしているわけじゃなくて、きちっと行動している人に対して否定の気持ちは持てないなぁ私は。今作『私のジャンルに神がいます』は原作愛を拗らせての二次創作に対する賛歌だから、そのテーマに準ずるとぽぴ郎さんは完全に間違っているというのはちゃんと分かっているつもりです。なのでこの作品を否定する気はないんだけど、それと同時にぽぴ郎さんの承認欲求起点の行動も非難する気もない。承認欲求を持つ事自体は悪くない、ってもっと広まって欲しいな~!そして大人になると褒めたり褒められたりっていうのが難しくなるから、自分も他人もいっぱい褒め褒めしていきたいね。ちなみに ”駄サイクル” って呼ばれるヤツも趣味の活動なら別に問題なくない?と思っている派です。

九条と向井』はストレートに嫉妬の話で共感の嵐でした。言うたやないか私の嫉妬は○毛タイプって!

友達が褒められて嬉しいな~!っていう気持ちは当然あれど、純度100%でその気持ちを維持し続けるのって凄く難しいと思う。だってコンディションによって自分の気持ちって変わるもの。不変のものなんてないよ。だからその感情に折り合いをつけたり、はたまた遠ざけたりっていうのは生きていく上で大事な事だと思います。九条ちゃんがまりんちゃんにちゃんと「嫉妬してた」って言えるの、本当に良かったなぁ。あと「>私が作品をUPしたその画面の向こう側に人がいる」「>いいねはただの数字じゃない」っていう感覚を実際に持てるかどうかって難しいよなって。私はまだ持ててる気がしないので、九条ちゃんを見習いたいです。数字はデータで言葉は感情って思っちゃってるフシある~~~~。ぬーん!

オマケでは綾城さんからのおけパへの感情がありありと描かれていてほっこりしました。神もまた人なり。2巻を読んだ時は「次も楽しみ~!」って素直に言えなかったんですが、今回は素直に言えます。次巻も楽しみだー!むぎさんとみつばさんが特に好きなので、次巻も顔を出して欲しいな~!

 

アルテ 17巻

うっかり買い損ねて読めていないので後日追記します。